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闇夜と神様と星空
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外は満天の星空。地上の明かりも届かない。 星が瞬く音がするような気がする。 神の神殿に泊まりにきている悟飯は、そんなロマンチックな考えを持ちながらガラス窓から星を眺めていた。 しかし隣にいる、神になりたてのデンデにとって、この闇夜の空は恐怖の対象以外の何物でもないようだった。今でも、年季の入ったアンティークランプを枕元につけて悟飯の顔を照らしていた。 「ねえ、デンデ。まぶしくって眠れなくないの?」 「悟飯さんは、暗くて怖くないんですか…?」 質問を質問で返されてしまった。たしかに、デンデの故郷のナメック星は夜がない。いつまでも明るく、裏表があまりないまじめなナメック星人の性格そのもののようだった。 「デンデ見てみなよ。星、きれいだよ。」 「…ハイ…。」 いつもは素直なデンデも、首を窓のほうに向けようとしなかった。生まれて始めて見るものだから、ムリもないだろうが…。このあと、気が遠くなるくらいの長い時を生きていくハズの神が、闇に慣れることができないというのは、結構な問題ではないだろうか。 悟飯はうーん…とちょっと首をひねってから、デンデにこうつぶやいた。 「ねえ、デンデ。地球ってね、お星様のおまじないがあるんだよ。」 「おなじない?」 悟飯はコクンとうなずいて星空に目を向けた。 「願い事がかなうおまじないなの。」 「ええっ、ドラゴンボールみたいに?」 「ううん、神龍がぱって魔法みたいにかなえてくれるわけじゃないの。流れ星が流れている間に願い事を3回、唱えるんだよ。」 「そんなおなじないがあるんだ…。」 デンデはようやく星空に顔を向けた。バケツをひっくりかえしたみたいな光の粒の群。闇の中に瞬く星に興味を持てたようだ。 よかった、デンデはちょっと興味をもってくれたみたい…。 「どうして、星が願いをかなえてくれるんでしょう…?」 「うーん……。きっとさあ、元気玉みたいなんじゃないかなあ?」 「元気玉みたいって?」 「元気玉ってさ、いろんな人や生き物の元気を集めるでしょ?星も、いろんな人の願い事を集めて、ちょっとだけかなえてくれるんじゃないのかな?」 「そうか…。そうなんですか…。」 悟飯は、デンデに毛布をかぶせると窓をそおっと開けた。 心地よい夜風が吹いてくる。 「流れ星さがそうよ、願い事、かなえてもらおう。」 「どんなことでも…?」 「うん。」 悟飯はにっこり笑ってデンデの方を向いた。 「けど、本当にかなえたい願いはだれにも内緒だよ。」 翌朝、ピッコロは窓辺にもたげるように折り重なって眠っているふたりをみつけた。 いままで、消えることのなかったランプの明かりはすっかり消えていた。 「ようやく…慣れた…のか?暗い空に…。」 ピッコロはすこしだけ頬を緩ませて、悟飯とデンデがくるまっている毛布をかけなおすと、音を立てないようにゆっくりと出て行った。 2001/05/21
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