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Precious Darling!
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神殿は静かだった。もともとここには、音が出るものはそんなに置いてないし、住人達も行儀が良い者ばかりなので、そんなにやかましい音がたつことはない。 しかし、今回の静けさは異様だった。 ヘタすると、遥か彼方の下界の音が聞こえんばかりの静けさだった。 しーん しーん しーーーーーーーん…… レインという宇宙人の放った壮絶な一言が、まだ尾をひいているのだ。 彼女は、まだピッコロの足にくっついて動こうとしない。ピッコロも「離せ」「いいかげんにしろ」だの言っているが、離せない。以前の自分なら一蹴していたところだろうが、神と融合した自分の倫理がそれをゆるさない。 「パパ…あたしのこと、しらないの?」 薄緑の瞳は潤んで、ピッコロを見上げている。同じ色をしたまつげが一回、ぱたんと閉じると涙があふれてきた。 やましいことは(いや、そんな感情もわかないが)身に覚えがまったくないピッコロも、それを見て奇妙な罪悪感が生まれてくる。 「な…なんで?そんな…い、いつのまに…」 「え…あ、あの、おとうさんになっちゃっていたの?ケッコンしてたの?」 悟天とトランクスが(一応)遠慮がちに聞く。デンデはというと…口を開けて、レインとピッコロを交互に見ている。ポポは、ピッコロの顔をじい〜っと見つめている。 「バカっ!!そんなわけあるか!!人違いだろ!!」 「そんなことないよ。そっくりじゃん。」 トランクスがレインとピッコロを指差して笑う。 「は…?」 ピッコロは自分の手とレインの顔を交互に見て、静かに怒鳴った。 「…どこが似ているというんだ…!ハダの色も違うし、触覚もないし、腕のつくりも違うし…。」 「耳が。」 トランクスが自分の耳を引っ張り、レインの涙を拭きながら答えた。 「それだけだろうがっ!!!」 びくっと体をふるわせたレインは、一瞬ピッコロの足から離れたが、またくっついた。 「だいたい…ああ、そうだ。俺達はおまえらと増える方法が違うんだ!オレとしたことが、こんなことをすっかり忘れていたとは…。いいか、よく聞けよ。」 「けど、宇宙ってひろいしさ、いろんなひとが…。」 「黙ってろトランクス…!」 ギロリとにらんだピッコロの顔は、減らず口ばかりたたくトランクスにも効果てきめんの迫力だった。 「あ…あのですね。トランクスさん、悟天さん。」 ピッコロににらまれて、動けなくなっているトランクスにデンデが助け船を出した。 「ボク達ナメック星人は、たまごで生まれるんです。…えっと、地球の人みたいに、二人…おとうさんと、おかあさんがいなくっていいんです。一人でたまごを産んでこどもを作るんです。だから、もしピッコロさんに子どもがいたとしても、『パパ』や『ママ』ってことにはなりません…。」 デンデの説明を、二人は感心したように聞き、レインのほうに向きなおった。 「じゃあ、レインちゃんのママは?」 「死んじゃった…。」 「あ、ご、ごめんね。こんなこときいちゃって……。」 レインはピッコロの足に絡みついた自分の腕に、ぎゅっと力を入れるとまた彼の顔を見つめた。 「ママ、パパはすっごくやさしくってすてきなひとって言ってたのに…。あたし、会えるのをたのしみにしてたのに…。」 「…けど、レインちゃんはさ、どうしてここにパパがいるってわかったのさ?」 だから、オレじゃない、とつぶやいているピッコロを尻目にレインは自分の手のひらを上にかざした。ポンとガラス玉のようなものが出てきた。 「コレ…これがパパの居場所を教えてくれるって、パパがいってたって…でしょ?」 いつか、悟天がもってきたビー玉そっくりな玉だった。レインの小さな手のひらに収まっているそれは、7つあって…。 「7つ?…ってこれ…。」 太陽の光を固めたような色。 幾度となく自分たちを、この星の住人達を救ってくれた魔法の玉…。 星の粒が入ってない以外は、ドラゴンボールにそっくりだった。 2001/05/29
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