Precious Darling!
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「え…これ、ど、ドラゴンボール…?」
「イミテーションのドラゴンボールです…。」
「え?いみてーしょん?」
トランクスはデンデの方に首を向けた。
「そうです。模造品ですね。」
ナメック星のドラゴンボールは、ただひとり最長老がつくることを許される…のだが、一応は、龍族の優秀な力を持った者ならば作ることはできる。こうして、作られたイミテーションのドラゴンボールは、子ども達のいい遊び道具になるそうだ。
「おもちゃですから、願いをかなえる能力はもちろんありません。ドラゴンボールのレプリカみたいなものです。…だから、こんなに輝いているのはちょっとおかしいんですけど…。」
「けどさあ〜。」
トランクスはにやにやしながらピッコロの方に向き直る。
「これをレインちゃんが持っていたってことは、やっぱりパパはナメック星人じゃん。」
「違うっていってるだろ…。」
レインは大きな目をまだ潤ませてピッコロにくっついている。
ピッコロは、「ふうっ」とため息に似た空気を吐くと、レインの前に膝をまげて目線を彼女に合わせた。
「じゃあ、100歩ゆずって、ナメック星人がおまえのオヤジだったとしよう。ありえんがな…。いくら少数民族とはいえ、100人近くもいるんだぞ。オレ以外のだれかかも…。」
「ママはすぐにわかるっていってたわ。」
レインはピッコロの言葉をさえぎり、いたずらっぽく笑って、ピッコロから視線をはずした。
「パパはね、やさしくってかっこよくて、オダヤカなひとだったんだって。でしょ?」
「…そんなこと、大部分のナメック星人があてはまるぞ…。」
「でね、すっごく強かったんだって!そうなんでしょ?ふふっ!」
悟天とトランクスは互いの顔を見合わせて、くすくす笑った。「やっぱりピッコロさんだ!」という確信を持ちながら。
『パパ』の説明をするレインは頬を赤くして、ニコニコしながら話す。そんなかわいらしい様子を見て、いぶかしげだったミスター・ポポも、彼女の前に膝を折った。
「それも、その星で一番強かったんでしょ?すごいわ、パパって!」
「は……?え、ええ?」
デンデは思わず後ずさりをした。ま、まさか…。そんなこと。
「さいちょうろうってひとを守っていたんだってね!そうでしょ?パパっ!」
ピッコロは、久しぶりに眉間にしわが寄るのがわかった。こんなに顔をしかめるのは、本当に久々ではないだろうか…。
たしかに、レインの説明は自分によ〜く当てはまる。何せ、自分と…。
「じゃ、じゃじゃ、じゃあ…。あ、ああ、あなたのお父さんの名前って…。」
「うん、ネ…。」
とすっ
ピッコロは無意識にレインの首を指でこづいていた。その瞬間、彼女はタイルの床に転げ落ちた。外傷はもちろんない。目を回してひっくりかえっただけのようだ。
「ああーっ!!!」
悟天とトランクスから、思わず非難の声があがる。
いくらなんでも、ちょっと大人げない。
仕方ないが…。
「な、な、なんてことするのさ、ピッコロさん!!この子おんなのこなんだよ!!」
「や、や、や、やかましい!!黙れっ!うるさい!!おまえら、今日はもう帰れっ!!」
うるさいのは、ピッコロさんの方じゃん…とトランクスは思ったが、彼の剣幕を見てそのことは口には出さず、黙って悟天の手を引いて宙に浮かんだ。
「……わかったよ、オレ今日はもう帰る…。それじゃ神様、ポポさん、バイバイ。レインちゃんにもよろしく言っておいて。」
「わ、わかった。トランクス達も気をつける。」
まだ、口をあけて呆然としているデンデのかわりに、ポポが答えた。
「お父さんと、にいちゃんにも言っておくね〜!!」
「言っておくなそんなもん!!!」
無邪気な悟天のセリフに、ピッコロはツバを飛ばして怒鳴ったが、生憎二人とも遥か彼方に飛んでいってしまった後だった。

2001/05/30

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