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DB的眠り姫もどき童話風味T
(前編)
<後編>
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ベジータ王子とトランクス姫。 彼等はどうやら、互いに言ってはいけないことを言ってしまったようでした。人間誰しも、触れてはならない部分というものが存在します。最も姫はまだしも、王子にそれを解れと言う方が無理なのかも知れません。民衆達は絶望的に天・・・・・・今は洞窟の天井ですが・・・・・・を仰ぎました。 ぱりぱりと何かが割れる、そんな音がしています。もしかしたらそれは、二人の忍耐の限界が、少しずつ壊れてゆく音だったのかも知れません。大地は細かく震え、まるで生きているかのように鳴動します。ぱらぱらと天井から、土と砂とが落ちてきます。それは崩壊の前触れであると、民衆達ははっきりと感じました。防ぐことの出来ない崩壊とは、確かにこの世に存在するのです。 王子と姫。二人の髪の毛が、服の裾が、まるで風に煽られたように舞い上がります。彼等の瞳は、今まで見たことの無いほどに爛々と光っていました。その瞳に宿るのは純粋な怒り。怒りは鮮やかに、美しい碧へと変化します。次の瞬間。 「てめえ・・・・・・!!ついにぬかしやがったなあっ!!」 「俺だって・・・・・・俺だって、好きでこんな役回りな訳じゃ無いんだっっ!!」 彼等は、やっぱり同時に絶叫しました。 そして。 ぼ!ぼっ! 黄金の炎が燃え上がりました。超サイヤ人化です(しかもいきなり2)。発生する雷は床も壁も容赦なく叩き、吹き荒ぶ気の嵐は周囲の人々までも巻き込んで洞窟という半密閉空間を勝手気儘に暴れ回ります。人々は目も開けていられず必死に両腕で顔を庇いました。 出し抜けに、凄まじい衝突音が彼等の耳を打ちました。見るといつの間にか、二人が激突しています。何度か打ち合って、両者は飛び離れました。力量はほぼ互角です。しかしまあ、だからと言って「なかなかやるじゃねえか」「そっちもな」等の台詞を恥ずかしげも無く吐いて友情が芽生えるというような展開に、この二人がなるはずもありません(民衆達にとってはこの対決が収まるならどんな展開だろうと大歓迎でしょうが)。双方単に、更にぶち切れただけでした。 「生意気なガキが、俺に勝てると思ったか!!」 言うなり、王子が気功波を放ちます。姫は、敢えてその気功波に向かって突っ込みます。ぶつかる寸前、ドレスの袖が灼き切れるのも構わずに紙一重でかわすと、そのまま王子に肉薄しました。 「こっちこそ!貴方なんかに負けてたまるかっ!!」 叫んで、格闘戦を挑みます。別に『父という壁を越えてやる!!』(巨人の星)という訳でも無いのでしょうが、姫は特に意味も無く(?)王子に対抗心を燃やしているようです。王子が気が付いた時には、姫は眼前まで迫っています。 「ちいっ!」 舌打ちをして、王子は更に気功波を放ち牽制します。姫は仕方無く数歩退いて避けると、代わりにこちらからも気功波を撃ち出します。しかし王子はそれを右手一つで弾き、弾道を逸らしました。数条の光が交錯します。それらは洞窟の壁や天井に着弾しました。元々それ程堅い地質でないこの洞窟です。天井から岩の固まりが崩れ、がらがらと落ちてきます。その下には民衆達がおりました。悲鳴を上げる民衆達。その時です。 彼等を守るべく、従者ピッコロが立ち上がりました(どうやらたった今目覚めたようです)。彼は颯爽とマントをなびかせ(BGM・口笛の気持ち〜ピッコロ編〜)、周囲に高い所(尖っていればベスト)が無い事に少し残念そうな顔をしました(洞窟の中なのですから当たり前ですが)。そしてその岩の下の人々の所まで、俊足で辿り着きます。彼はかっ!とその目を見開き、気合いを発しました。 「はっ!」 見開かれた瞳から、光線が発射されます。いわゆる「目からビーム」です。びーっ、と発射された「目からビーム」は岩の真ん中を正確に貫き、千々に破壊しました。下にいた人々は岩の直撃を受けずに済みましたが、すぐ目の前で、あの顔で目からビームが撃ち出されるのを目撃しては流石に心臓に悪かったらしく、数人は心臓麻痺を起こしたようでした。従者ピッコロはちょっとだけ傷つきました。 そうこうする間にも、王子と姫の戦いはエスカレートする一方です。格闘戦よりも気功波の応酬の方が多くなり、破壊度もぐんぐんうなぎ登りです。洞窟の壁はボコボコで、広さは既に1.5倍ほどに膨れあがっていました。もはや、いつ崩れ落ちてもおかしくありません。「くっ・・・・・・!」お付きの者は歯ぎしりし、民衆達は「もう駄目だ」と、がっくりと膝をつきました。元凶の方は、そろそろ大技を出すべく「溜め」の場面に入っています。 「けっ・・・・・・これ以上貴様如きに時間なんぞかけていられるか!!死ねっ!!!」 王子の周囲に、無数の輝きが生まれます。それらはたちまち同じ数だけの黄金の竜となり、王子の諸手に集まり渦となりました(誇張表現)。 「その言葉、そっくり貴方にお返ししますっ!!!」 姫の足元に何十もの光が奔ります。それらは白銀の虎となり宙を駆け、高々と掲げられた掌に収束し光の玉となりました(やっぱり誇張表現)。 龍虎相打つ。二人は空中に浮かび、対峙しました。王子のマントが、姫の長髪がばさりとひるがえりました。集まった光がみるみる内に増大してゆきます。死すとも外すまい、とでも思っているのでしょうか?これ以上無いほどに、彼等はお互いをしっかりと見据えました。名匠の産み出す剣より強く鋭い眼光二つが、真正面からぶつかります。 「喰らえっ!!!」 「はあああああっ!!!」 二人は、全く同時に光の玉を撃ち出しました。スローモーションの如くゆっくりと、二つは突き進んでゆきます。 激突。表面が触れ合ったとき、それは爆発的な風を巻き起こしました。全員が顔を覆い、それに耐えます。やがてゆっくりと混ざり合うように、それは一つになってゆきました。金と銀とが対流を起こし、それに合わせて風は向きを変えます。 そして突然、それは莫大な光の奔流となり、爆発しました。土、砂、そして岩が打ち砕かれて宙を舞います。洞窟の壁は容赦なく引き剥がされ、削り取られました。轟音と爆光。 永い永い一瞬の後に、ようやくそれは収まり始めました。ひたすら地面に伏せていた人々は、恐る恐る顔を上げてみます。 洞窟は、完膚無きまで・・・・・・のたった一歩手前で辛うじてその形をとどめておりました。かつーんと音を立て、瓦礫が一つ地面に落ちました。 人々は頭上を見上げ、驚愕しました。あれ程の爆発にも関わらず、王子と姫、二人は掠り傷一つ負ってはおりません。なおも黄金の髪のまま、ひたすら睨み合っています。彼等にも細かな瓦礫が降ってきましたが、髪と同じ色の気の炎に灼かれ彼等の身体には届きません。 「ち・・・・・・しぶとい野郎だ」 「・・・・・・・・・」 放った大技を相殺され、彼等は膠着状態に陥りました。息を詰め、じっと相手の隙を窺います。 民衆達は只呆然と、事の成り行きを見つめました。後ろの方で、瓦礫の間から緑色の腕が生えておりましたが、誰一人として気付きません。従者ピッコロ、報われない男でありました。 じりじりと、二人は間合いを詰め始めました。誰も止められぬ宿命の対決。再びカタストロフは起きるのか!?誰もがそう覚悟しました。 その時でした。誰もが予想だにしない出来事が起こったのです。 突如、奥の壁が崩壊しました。その場の全員の視線を一身に浴び、洞窟の最奥部であると思われたそれはがらがらと崩れ落ちて行きます。 最初目に飛び込んで来たのは、美しい海の蒼でした。 「・・・・・・・・・!?」 何故、と誰もが思いました。壁が崩れてゆくにつれ、それははっきりと形を顕してゆきます。 衝撃が彼等を打ち据えました。海の色と思ったのはマリンブルーの髪の毛です。次に見えたのは女性特有の細い指、手足。そして瞳・・・宝石の色の瞳。 やがてそれは、女性の姿を現しました。しかしたった一つだけ、普通の人間とは異なる所があったとすれば・・・・・・。王子はその人物を見上げ、無意識の内に呻き声を漏らしました。 「で・・・・・・・・・でかい・・・・・・・・・・・・!」 そう。彼女は巨大でした。ゆうに、人がその掌に乗れるほどの大きさです。巨人ブルマは、一つ大きくあくびをしました。いとも簡単に己の居た部屋の天井を突き破ると、思い切り身体を伸ばします。彼女は王子や姫、そして人々を認めると、髪を掻き上げ非道く不機嫌そうな表情をしました。綺麗なアクアマリンの瞳が、疎ましそうに光ります。 「んもう・・・何なのよ、うるさいわね!目が覚めちゃったじゃないのよ。 あんた達ね、さっきから何かやってるのは・・・安眠妨害よ!しかるべき措置をとって訴えるわ!」 いきなりそう言うと、彼女はさっと視線を走らせました。一般人、瓦礫から生えている手。そして最後に、王子と姫。 それだけで彼女は、この馬鹿げた騒ぎの首謀者が一体誰なのか大体の目星を付けたようでした。瞳を細めて、彼等を睨み付けます。そしてにわかに、その両手を伸ばしました。 あっ、と思う間も無く、王子&姫はその両の手に捕らえられていました。あまりの事に、逃げようと思う暇もありませんでした。巨人は彼等を目の高さまで持ち上げました。大きな大きな瞳と、真正面から視線が合います。その瞳には、何者にも有無を言わさぬ強い光がありました。王子も姫も気圧され、何も言えなくなります。そしてその時点で、真の勝者は決定したのです。 「・・・・・・・・・」 巨人は二人をじっと見つめると、何を思ったか突然、姫だけを解放しました。代わりに王子を、両手でしっかりと握り直します。 「ちょ・・・・・・ちょっと待て!何をする気だ!?」 王子の台詞を、巨人は全く気にしませんでした。きらりと瞳を輝かせると、王子を握った両手を力任せに振り回し始めます。 「あんたが首謀者ね。ネタは上がってるんだから!白状しないと痛い目見るわよ!」 白状するも何も(しかもネタが上がっているかどうかは不明です)、こんな状態ではまともに口を利くことすら出来ません。王子は気力と根性だけで必死に何か言っていましたが、聞こえないので結局は同じ事でした(口パクで見る限りではどうやら「何で俺だけーっ!?」と叫んでいるようです)。周囲の人々は、一般人は勿論、ようやく瓦礫を押しのけて出て来たお付きの者や姫までが、ぽかんと口を開けて事の成り行きを見つめています。やがて、彼女はようやく気が済んだのか、その手を止めました。王子は完全に気絶しています。巨人はぐったりした王子をぽいと放り捨てました。そして残った人々に言いました。 「ここ、もう駄目ね。早く出なさい。動けない人は私が運んだげるから」 意外な一言を発して、彼女は人々を誘導し始めました。そうして、山の陽はとっぷりと暮れてゆきました。 「でも、何故俺達を助けてくれたんですか?」 トランクス姫の問いに、巨人ブルマはあっさりと答えました。 「だって・・・・・・当たり前じゃない?人道的に」 「はあ・・・・・・・・・そうですね」 やがて、夕闇の中、巨人と姫とお付きの者は姫の居城に到着しました。残っていた民衆達には既に解散を言い渡しました。その際は、まるで神風特攻隊が運良く助かり無事に帰ってきた様な大騒ぎになっておりましたが、これまでの経緯を見ればそれもやむなしと言えましょう。 そして姫は、家族と感動の再会を果たしました。 「父上!母上、ただいま戻りました!」 悟飯王とビーデル王妃(何故!?)は、喜んで姫を迎え入れました。 「良かったね、トランクス。心配したよ」 「ホント!一時はどうなることかと思ったけど」 フレンドリーな悟飯王とビーデル王妃(ホントに何故!!?)は手を取り合って喜び合います。姫は一つ息を付くと、王妃に向かって言いました。 「母上・・・・・・・・・貴女に大っ事なお話があります」 「あら、なあに?」 姫はドレスの裾を震える拳で握りしめました。口の端が明らかに引きつっています。 「この格好を俺にさせるのはいい加減やめてください!お陰で姫だと間違えられてさらわれたじゃないですか!!」 トランクス姫・・・・・・もといトランクス王子(でもドレス)は、どう見ても同い年ほどにしか見えない母親に向かって怒りました。王妃は即座にかわいこぶりっこ(死語)で対抗します。 「だって、女の子が欲しかったんですものー。いいじゃない?綺麗な服着られるんだし」 「子供の情操教育も貴女の趣味の前には朝露と消える運命なんですかっ!?」 「それにしても、魔物ってどうしてお姫様ばっかりさらうのかしらねー。何か意味有るのかしら」 「話をそらさないでくださいっ!!」 「いいじゃん、可愛いんだからさ♪怒らない怒らない!ほ〜らトランクス、世界で一番美しいのは貴方よ〜?」 どこからか鏡を持ち出して声色を変える王妃に、トランクス王子はキレかけた声で「いい加減にして下さい!」と叫ぶと、今度は、やはりどう見ても同い年ほどにしか見えない父親に向き直りました。 「父上からも母上に何か言ってやってください!!」 「い、いや・・・・・・・・・僕はそういう事には・・・・・・・・・」 いきなり気弱になる王。トランクス王子は絶望的な表情で頭を抱えました。 「ああっ!そう言えば父上は母上に全く頭が上がらないんだったっ!!」 「・・・・・・そんな大きい声で言わなくったって」 すねる王。 「とにかくっ!こんな事があった以上、俺はもう二度とこんな格好はしませんっ!!」 決意の瞳で行ったトランクス王子に、王妃はあっさり言いました。 「・・・そこまで言うなら仕方無いか・・・・・・わかったわ、もうしない」 「・・・・・・・・・・・・っ!!?」 突然物分かりの良くなった王妃に、トランクス王子は何かとてつもない予感がし、知らず知らずのうちに少しずつ後ずさっていきました。 「ところでね。トランクス、貴方に大事な話があるの」 逆パターン。トランクス王子は思わず身構えます。 悟飯王とトランクス王子、そして居並ぶ臣下達の前で、ビーデル王妃は絶妙の演出、そしてタイミングで爆弾発言をしたのです。 「貴方の妹よ☆」 辺りの空気は真っ白になりました。 気が付くといつの間にか、王妃の後ろに小さな十歳ほどの女の子がちょこん、と立っています。王妃がその子を促すと、彼女は元気良くトランクス王子の前に立ち、自己紹介しました。 「初めまして!私パン!宜しくね!」 真っ白になった空気は、音を立てて崩れてゆきました。遠くの世界へトリップしていた(というかトリップせざるを得なかった)トランクス王子は、はっと我に返りました。ある事に気付きます。 「・・・・・・・・・・・・あ、あの!何でこんなに大きいんですか!?俺がここに居なかったの、たった数週間なのに!!(っていうか産むことすら無理なのでは)」 「さあ!祝いの宴だ!」 無視を決め込む王と王妃。 「何でなんですか!?養女!?それとも隠し子!!?」 「貴男が居るのに何で養女取らなきゃいけないのよ」 「ああっ!?何か更に話がややこしくなってるっ!!」 トランクス王子は無事お城に帰れましたが、普段の生活に戻れたところで結局はそれなりに不幸(?)なのかも知れません。 ちゃっかり褒美を取らされた巨人ブルマは、さてこれからどうしようかと思案しておりました。 「家の壁壊されちゃったしなー」 「家だったのか・・・・・・?」 お付きの者がツッコミを入れます。巨人はくるりと振り返ると(お城には勿論サイズの問題で入れないので城の門の前に居ます)、少しむっとした顔で言いました。 「だって両親もいるのよ?困るじゃない」 「・・・・・・・・・・・・まあ、確かに」 どこかずれている論争を不毛と感じたのか、お付きの者は適当に相づちを打ちます。 「お隣さん、素行が悪くて迷惑してたのよ。人さらいするようじゃ壊滅して正解だったかもね」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 魔物や巨人の住宅事情に詳しく無いお付きの者は沈黙しました。 「・・・・・・テメエの事情なんぞ知ったことか・・・・・・!」 後ろを振り向くといつの間にか、ぼろぼろになりつつも何とか帰ってきたらしいベジータ王子(巨人はベジータ王子だけ放り出して来ておりました)が、ぜえはあと息を荒げながら立っておりました。 「あらまあ・・・・・・あんた生きてたの」 「当たり前だ・・・・・・・・・!」 まあ死なないと思ったから置いてきたんだけどねー、とけらけら笑う巨人を憎々しげに睨みつけ、ベジータ王子は声を張り上げます。 「そんな事より!貴様よくもこの俺をコケに・・・・・・」 言いかけて。 王子は凍り付きました。巨人がこれまでに無い程の満面の笑みを浮かべていたからです。と言っても、悪い類のものではありません。 彼女は確かに巨大ですが、文句無く美しい容姿をしています。その彼女は今、その顔に一番似合う素晴らしい微笑みを浮かべています。典雅で、妖艶な微笑。 しかし王子は何故かその笑みに、悪魔の微笑を垣間見ました。その人並はずれた直感が、何かを感じ取っていたのかも知れません。そして彼女は言いました。とてもとても嬉しそうに。 「あんた、気に入ったわ!結婚しましょ!」 従者ピッコロは思いました。 (・・・・・・・・・・・・・・・そりゃ、人の趣味は人それぞれだ。十人十色。千差万別。間違っても、俺が口を出したり、ましてや邪魔をするなんて事はしないし有り得ない。端から見ればどうやっても合いそうにない夫婦が30年後にはおしどり夫婦として知られていたり、逆に結婚前はこれ以上無いほど仲むつまじく幸せそうに見えた夫婦が三ヶ月後には離婚したりなんてのは珍しくない話だ。最も俺には男女のことはよくわからんが。それにしてもこの女、あの王子の何処が気に入ったと言うんだ。顔か?体格か?それともあの傍若無人な性格か?どれにしてもこの女にしか解らないものであることは間違いない・・・・・・・・・・・・・・・) 現実逃避する為にどんどん関係無い方向へ進んでいく思考を何とか引き戻すと、改めて思ったことは、 (・・・これだけ身体の大きさが違ってどうやって結婚するんだ?) でした。ベジータ王子はと言えば、余りの展開に石と化しておりました。そして巨人ブルマはと言えばにっこり笑い、ひょいと王子を掴み上げました。 「さ!あんたの国は何処?凱旋よー!」 「凱旋・・・・・・・・・・・・か?」 お付きの者に出来たことは、やはりツッコミだけでした。 かくしてベジータ王子以下三名は、無事祖国へと凱旋(?)を果たしました。こちらも例に漏れず、王の居城へ戻ります。 そこで待っていたのは、ベジータ王子の父、ベジータ王です。豊かな髭と貫禄を持つベジータ王は、帰ってきた息子を見るなり爆発しました。 「儂の顔に泥を塗る気か!他国へ行ってまで騒ぎを起こすとは!!」 「やかましい!元はと言えばてめえが俺を武者修行に出したんだろうが!!」 喧々囂々の親子喧嘩が始まります。 (何で親と子が同じ名前なんだろう?呼び分けとか出来なくって困らないのかしら?それとも微妙にイントネーション変えて呼んでるとか?) 巨人は少し考えていましたが、「ま、いっか」という結論に達し、城の外から、中にいる二人に「どーもー」と呼びかけました。中は親子喧嘩の所為で、それはもう凄まじい騒ぎになっていましたが、その声に窓の方を見やったベジータ王は驚きを露わにします。 「こ・・・・・・この人は・・・・・・」 窓には彼女の瞳がアップになっています。巨人が少し身を引くと、ベジータ王も彼女の顔を見ることが出来ました。王はぐっ、と拳を握りしめました。その拳はかたかたと震えています。王子は怪訝な顔をしますが、王はそれには全く気付いていないようでした。 そして王は両手を広げ、叫びました。 「そうか!!この人はお前のガールフレンドだなっ!?」 「おいっ!!?」 「良かったな・・・・・・今まで彼女の一人も出来ずに心配していたが、これでもう安心だ。儂に彼女を紹介しようと戻ってきたのだな?ならば早くそう言えば良いものを」 「何か重大な勘違いをしてるだろ!?そこ!!」 王子のツッコミも、親の歓びに溢れている王には届きません。ベジータ王は嬉々として巨人への窓を開け放ちました。 「あ、どーも。今日はお義父さんに挨拶しようかな、って感じで」 ひらひらと右手を振って挨拶する巨人。 「いや、これはご丁寧に」 「丁寧じゃねえし」 王子は今の立場も忘れて「お義父さん」では無く違うところにツッコみました。「そうよね、別に今の私の台詞丁寧って訳じゃ無かったわよね」と、巨人本人も首を傾げております。 しかし王にとっては、そんな事はどうでも良いようです。彼はにやりと笑って言いました。 「婚約なんてまだるっこしい事はとばすぞ!で、結婚式の日取りは?」 「ああ、早い方がいいかなって。何かそこ、不服があるようですし」 「ちょっと待てえっ!!」 巨人の予想通り王子は思いっきり不服を唱えましたが、これで巨人が待つような性格ならば、元からこんな展開になってはおりません。 そしてそれはベジータ王の方も同じでした。王子はそのことをすっかり忘れていたのです。 「では僭越だが、儂が式を執り行わせて貰おう。費用については一切心配は要らんぞ。おお、それから新居も建てねばな」 「何から何までどうもすいません。私達、仲良くやっていけそうだわ」 「はっはっはっ、良い良い。息子の嫁になる人だ、このくらいせねばな」 「あ、そうだ。私の家最近壊れちゃいまして。両親も困ってるんですけど・・・・・・」 「そうか、よし、ご両親もこちらに呼ぶと良い。お会いして親同士、話をしようではないか」 「ありがとうございます!両親もきっと喜びますわ」 「人の話を聞けえええっ!!?」 かくして、王子と巨人は結婚してしまいました。結婚式当日、新郎は太く丈夫なワイヤーで、ぐるぐる巻きにされておりました。 愛の力でしょうか?結婚してから数年で、巨人はすっかり普通の人間の大きさになっていたと伝えられております。 こうして、世界はすっかり平和になりました。めでたしめでたし。 (前編) <後編> (戻る) |