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DB的眠り姫もどき童話風味U
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こうして、国は目覚め、また新しい時を過ごす事となりました。 「では、お父さんお母さん、ここまで私を育ててくれて有り難う御座います・・・・・・」 「そうか、お前もとうとう行ってしまうのだな」 「寂しいけれど、どうか幸せになってねえ〜」 「紛らわしい会話をしてるんじゃねえっ!!」 うがー、と怒る王子。 「何を言ってる、花婿殿。今更この子を貰ってくださらないと言う訳でも無いだろうに」 「今更も何も、俺は初めからそんな事は一言も言ってねえ!!」 「あらあら、照れ屋さんなのねえ〜」 「そうなの!でもそこがまた可愛いのよね」 「どさくさに紛れておかしな事を抜かすなっっ!!!」 「でも姫、僕の魔法がちゃんと効いたようで、本当に良かった」 皆と一緒に目覚めた良い魔法使いが姫に言います。 「あら、ありがと、可愛い魔法使いさん。貴方のお陰で目覚められたわ」 「いえ・・・・・・」 良い魔法使いは照れた様子でした。 「それより、悪い魔法使いはどうしましょう?あれきり姿を消してしまって・・・・・・」 「まあ、お陰で恋人も出来たことだし、今回はほっといてもいいでしょ」 姫はいったん興味の外れた事にはかなり大雑把な性格でした。良い魔法使いはちょっと苦笑して、言いました。 「まあ、姫がそう言うなら良いでしょう・・・・・・」 そんな会話が展開されているその横では、兵士その二とお付きの者が、例によってこそこそと会話しています。 「ふ・・・・・・これで王子は姫の尻に敷かれ・・・・・・もとい、王子は姫と結婚するのだな」 「ちょっと従者さん・・・・・・貴方はどうしてそこまでして二人をくっつけたがるんですか?」 「?『そこまで』とは?」 「『不自然なまで』、あるいは『王子の意志を無視するまで』です・・・・・・!」 兵士その二のお付きのものを見る目は、完璧に三白眼となっておりました。じろり、と睨んで見せますが、元々異常なまでのポーカーフェイスのお付きの者は少しも動じません。しかし。 「・・・・・・もしかしたら、従者さん・・・・・・ただ単に面白がってやってるだけじゃないんですか・・・・・・?」 兵士その二のその言葉に、お付きの者の眉(と言っても眉毛は無いので眉がある辺りの筋肉ですが)が少し、本当に少しだけ、ぴくっ、と動きました。兵士その二にとって不幸(?)であったのは、お付きの者が元からそっぽを向いていたために、それが見えなかったことでしょう。お付きの者がさっ、と振り返ったとき、既にその顔から動揺は完全に消えておりました。がしっと兵士その二の両肩を掴んで、言います。 「何を言う!」 (いつもに較べれば)熱っぽい口調で、お付きの者は兵士その二に語りかけました。 「いいか、俺は王子の従者だ。王子は今の今まで女性との噂話も無く、我が国の王も王妃も非常にお心を痛めておられる。ならば従者として、国に仕える者として、機会が在るならばそれを最大限に生かして王子にきちんと結婚していただき、王や王妃にもご安心いただこうと思うのが当然だろう!!?」 「・・・・・・!!!」 兵士その二は衝撃を受けました。バックを、大きな『がーーーん』という横文字が走り抜けます。 「そうか・・・・・・そうだったんですね・・・・・・そんな事も解らずに、僕は・・・・・・」 兵士その二はすっかり感動していました。 「すみません!そうとは知らずに、あんな非道い事を・・・・・・僕は・・・・・・僕は・・・・・・!」 くっ、と唇を噛みしめた兵士その二に、お付きの者は優しく言います。 「ふ・・・・・・解ってくれればいいんだ」 「何て心の広い人なんだ・・・・・・!!」 兵士その二は感極まった様子で言いました。 「僕は感動しましたっ!貴方は国のために周囲に避難されることも構わず、ご自分の使命を全うしていたんですね!!?貴方は従者の鑑です!!」 「それは言い過ぎだ・・・・・・俺はただ、愛する祖国を思って行動しているに過ぎない。そんな事は誰だってやっている」 「いいえ!!そんな事ありませんっ!!」 ニヒルに笑っているお付きの者と、感動を全身に表している兵士その二に、側で一部始終を聞いていた兵士その一と元兵士長はぼそぼそと会話を交わしました。 ちなみにその角度から、お付きの者の表情ははっきりと読みとれていました。 「おい・・・・・・お前の息子、絶対騙されてるぞ・・・・・・いいのか?」 「うーん・・・・・・難しいことはよくわかんねえけど」 兵士その一はぽりぽりと頬を掻きながらしばし考えて、言いました。 「いいんじゃねえの?別に損する事も無いし」 「そ、そうか・・・・・・」 あまりにもあっさりとしたその言葉に会話が続かなくなり、いったん言葉を切ってから、元兵士長は言いました。 「・・・・・・だが、お前の息子、お前に似て人の話を鵜呑みにする奴だな・・・・・・」 「ひっでえなー、形だけは兄貴。せめて素直って言ってくれよ」 「『度が過ぎる』って言葉覚えとけ。しかしあいつ、将来、絶対悪い連中に引っかかるな・・・・・・おい、気を付けてやれよ」 「ああ、わかった。ちゃんと『悪い奴はやっつけろ』って言っとく」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「では、我々は祖国へ戻ります」 お付きの者は言いました。王子、お付きの者、そして姫は出立の準備を整え、王と王妃、城の人々はそれを見送りに出ています。 「姫のことはご心配無く。私が責任を持って必ず無事にお連れいたします」 「うむ、頼みましたぞ、お付きの方」 「お気をつけてねえ〜」 「はっ。有り難う御座います」 後ろの方では、二人が一緒の馬に乗るかどうかで、王子と姫がぎゃあぎゃあともめております。しかしお付きの者は全く気にせず「では」と言い、馬を引いて発とうとしました。その時です。 「待ってくださいっ!」 その声に、皆がそちらを振り向きました。それは兵士その二でした。兵士その二は、きっと顔を上げて言いました。 「僕も・・・・・・僕も連れて行ってくださいっ!!」 「え・・・・・・ええーっ!!?」 一番驚いているのは(珍しく)兵士その一です。 「僕、従者さんに師事して宮仕えの何たるかを学んできます!じゃ、そーいう事で、お父さんお元気で」 「ちょ、ちょっと待ってくれ!じゃ、今度飯抜かれたとき、オラどうすればいいんだ!?」 「そういう心配の『ええーっ!!?』かよ・・・・・・」 元兵士長のツッコミも、彼の耳には入っていないようでした。兵士その一の魂の問いに、兵士その一はいとも簡単に言いました。 「形だけは伯父さんあたりに分けて貰ってください、お父さん」 兵士その二、意外に淡泊です。 「う、嘘だろ〜!?」 必死な顔でさっ、と兄を返り見る兵士その一。しかし当の元兵士長は早々にその場を逃げ出しておりました。 「お、俺は絶対に分けてやらんぞ!」 捨て台詞が響きます。一人取り残された形になった兵士その一は、ショックに頭を掻きむしりました。 「うわあああ!!ぜってー無理だ、オラ死んじまうよ〜!!」 「じゃ、王子、姫、従者さん!宜しくお願いします!」 大げさ(?)に苦悩する父親をあっさり見捨てて、兵士その二も旅に同行することになったのでした。 (1) (2) (3) (4) <5)> (6) (7) (戻る) |