お兄ちゃんといっしょ!
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「ただいま・・・。」
からっぽの空間に答えを求めてみたりして。
誰もいないということは この場所に着く前から
わかりきっていることなのに。
乱暴にカバンを放り投げ、テレビの電源をいれる。
イライラを押さえきれずに、チャンネルをあわただしく切り替える。


冷めきった感情が、心の中を支配する。
(ママは仕事でいそがしいって・・・そればっかり!)
(パパだって、修行修行って・・・いつもそう!)

(お兄ちゃんだって・・・)

考えて、泣きそうになった自分に。
たまらなく、腹が立った。




夕方5時を過ぎた頃、トランクスは帰宅した。
(ブラは帰っているのかな)
リビングにはカバンだけが無造作に置かれている。
それを拾い上げて、ろうかの先の妹の部屋へと向かった。
「ブラ・・・いるのか?」
ノックをしても返事がなかったので、ボタンを押して中へ入る。
薄いピンク色で綺麗に統一された、可愛らしい感じのつくりになっている。

(そういえば俺、ここに来たことなかったんだ・・・)
ふと気がついた事実に、自分でも以外だと驚く。
同じ場所で生活していて、それこそ四六時中
自分の後ろについてくる妹の、たった一つ、
完全に隔離された空間。
答えはすぐにわりだされた。

(そうだ・・・あいつが、俺の部屋に来てたから・・・)
夕食の前に。眠りにつく前に。
あるいは、日曜日の朝方に。
トランクスがブラの所へ行こうとしても、
ブラのほうから来てしまうものだから、
何となく 行かなかったのだ。


いや、もしかしたら。
彼女自身が、そうさせたんじゃないだろうか。
ブラは・・・妹は、
誰かを待って、期待を裏切られることを・・・
恐れていたんじゃないだろうか。
そんな考えが、トランクスの頭をよぎった。


トランクスがこの場を立ち去ろうとした時。
整頓された机の上にびりびりに破られた紙が
散乱していることに気がついた。
それを、丁寧にしわをのばし、
パズルのように組み合わせていく。



太い、印刷文字が浮かび上がった。




『授業参観のお知らせ』

それをズボンのポケットにしまいこんで、
トランクスは部屋を後にした。



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