★戦え! グレートサイヤマン!
「にいちゃん、ずるい・・・」と悟天は思った。
何がずるいって、もちろんグレートサイヤマンのことだ。
「そのうち悟天の分もブルマさんに頼んでやるよ」って言ってたのに、ボクより先に、ビーデルのおねえちゃんが2号になっちゃった。にいちゃん、ボクとの約束を忘れているなんてヒドイ。こうなったらおとうさんに頼むしかない。
「ねえ、おとうさん、ボクもにいちゃんみたいにへんしんしたいよ」
「へ? あんなカッコ、おめえにゃ、動きにくいんじゃねぇか?」
「だって、カッコイイんだもん。いろんなとこが風にパタパタしたり、目が隠れたりしてて・・」
そっか、あのカッコは修行のためだったんか。外を見にくくしてんのも、目に頼らねぇようにするためだったんだな。そういやピッコロもいつも動きにくいカッコしてんもんなぁ・・。
「よーし、悟天、父さんが頼んできてやる!」
悟空は瞬間移動であっという間にブルマのところに跳び、ブルマはあっという間に悟空の注文通りに変身スーツを作ってくれた。
「ほれ、悟天、これを手首にまいて、このボタン押すんだとよ」
「ありがとう! おとうさん! よーし、へんし〜ん!」
「わっ・・・」
「どうした? 悟天?」
「お、おとうさん、こ、これ、重いよ。それに前がほとんど見えない!」
「なにいってんだ、普段からそのぐらいの重さで動けるようになっとくんだ。目に頼んな。気を感じろ。悟飯はその10倍は重い服着てんだぞ(たぶん)」
「そ、そうなんだ、にいちゃん、すごいなぁ。ボクもがんばるよ!」
兄に知られないようにひそかに修行をする(もちろんキメポーズの)グレートサイヤマン3号。
しかし、その出動の日は意外に早く来た。
「おとうさん! この気・・!」
「ああ、悟飯だ。きっとビーデルって娘と出動したんだ。悟天、行くか?」
「うん!」
そのころ悟飯とビーデル・・・もとい、グレートサイヤマン1号と2号は、逃走した銀行強盗の車に、いつもながらの乱暴なやり方で待ったをかけていた。車を破壊された4人の犯人が、グレートサイヤマンに銃を向ける。しかし我らがグレートサイヤマンはそんなものはまったく意に介さない!
「悪はぜったい許さない! グレートサイヤマン1号!」
「同じく2号!」
「そして、あらたななかま、グレータイヤマン3号!」
「へ?」
上空まで瞬間移動で送ってもらった3号は、1号と2号の間にスタッと着地し、かっこよく口上をキメた! ちょっと間違えても誰も気にしてない。いいぞ、3号!
よく見えないけど、敵はこっちみたいだ。えらく気が小さいけど、変身型かな? とにかく・・
「ボクが来たからには、もうゆるさない! はぁっ!!」
「ごて・・やめっ・・!」
虚をつかれてた悟飯が、はっと我に返り、犯人をかばうようにとびこんだ!
「きゃー!! 悟飯くんっっ」
「にいちゃーん!」
悟天は、重くて動きにくい衣装でキメポーズを決めようと緊張しまくり、なんと、メットの下で超サイヤ人になっていたのだ。犯人をかばって、悟天の気功波を背中に受けた悟飯は、思いっきりダメージをくらってしまったのだった・・・。
しかし・・・・
こんなことぐらいでくじけるな、グレートサイヤマン3号!
戦えグレートサイヤマン3号!
・・・・・・
「おとうさん! いったい悟天に何着せたんです!」
「おめえが忘れてっから、かわりにブルマに頼んでやったんだぞ」
「それにしたって、なんであんな前の見えないものを! 危ないじゃないですかっ そのうえ服が重かったから思わずって・・・・。いっそ10トンぐらいにしといてくれればよかったのに・・」
「いやー、それじゃよけい強くなっちまうだけだと思うけどな・・」
「そーゆー問題じゃありません! とにかく、悟天はまだ小さな気をさぐるのムリなんですから、前は見えるようにしないと! それから変身した時は絶対に超サイヤ人はだめだって、おとうさんの責任でよく教えといて下さいねっ」
「わかった、わかった」
そう、いまさら悟天から変身スーツを取り上げることはほぼ不可能・・・。どうする悟飯?
(おしまい)
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