★第12話 (1/6)
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――スパイダル基地。ゴリアント作戦司令室。
ゴリアント「アラクネーめ!!」
――機械を殴りつけて壊す。火花が散る。
ゴリアント「てめえの怪人持って勝手に三次元に行っただあ?ふざけんじゃあねえぞ小娘!!」
――背後に気配。咄嗟に振り返るゴリアント。目の前にスプリガンの首だけが浮いている。
スプリガン「落ち着け、ええゴリさんよ」
ゴリアント「これが落ち着いていられるかてんだ!あの女、手柄ぁ横取りする気でいやがるぜ!!」スプリガン「だったらどうする?斬り込み隊長ゴリアント様となれば」
――靴音。スプリガンの体が歩いてくる。首がふわりと飛んで体に戻る。スプリガン、顎を数回動かして首を180度一回転させる。
スプリガン「先回りすりゃいいんだ。知ってるぜ、お前さんの細胞と他の怪人の細胞で
密かに作り出した暴魔獣を三次元に送り込んだってな」
ゴリアント「てっ、てめえどこでそれを!!」
スプリガン「今日、次元回廊から出てったって科学者どもが言ってたぜぇ」
ゴリアント「何い、今日!?」
スプリガン「何だ知らなかったのか、自分で命令しといてひでえ将軍だよ。ま、どっちにせよすぐバレるこった」
ゴリアント「ケッ!…だが!これで奴が動けば、てめえもアラクネーもシェロプの野郎も
出る幕はねえぜ!」
――突然ブラックインパルスの声。
BI「頼もしい言葉だなゴリアント」
――と言ったあと、壁の向こうから現れるBI。
ゴリアント「し、司令官!」
BI「貴様の生み出した新たな暴魔獣、私も見せてもらったぞ。その自信、確かであろうな」
ゴリアント「ヘイ、もちろん!」
――ゴリアント、自信たっぷりに手振りを交えて話し出す。
ゴリアント「OZの野郎ども、どうもくだらねえ心やら人情やらが好きみてえですからね。そこでヤツでさあ! ヤツは我が暗黒暴魔獣最強の実力を持っていながら、中身は赤ん坊も同然!そんな奴が来たらオズリーブスめ、あの甘ちゃんども、戦いにも身が入らねえでしょう! しかしヤツはオレっちの言うことだったらなぁんでも聞きまさあ!!」
スプリガン「なるほど!」(指を鳴らす)「この怪人はいい怪人かもしれねえと油断させたところで始末させようって訳だな。考えたじゃねえかゴリアント。しかも三次元じゃあ今時分はクリスマスとか言うガキじみたお祭り騒ぎ……ヤツならまさにうってつけだ」
ゴリアント「どうでがしょう司令官?」
BI「面白い、貴様にしては素晴らしい策略だ………よかろう!今回の作戦、貴様に一任する!!」
===***=== 第1話 タイトルIN「坊や涙!クリスマスイブの暴魔獣」===***===
――街を歩く笑顔の翠川。店先に大きな日めくりカレンダー『12日22日』ジングルベルの曲が流れ、店先にツリーが飾られイルミネーションが光る。街行く人々は笑顔で大きな買い物袋を抱えている。子供たちも楽しげ。後ろから肩を叩かれる。振り返ると紙袋を抱えた洵。
洵「やっ」
翠川「あっ、洵先生!仕事終ったの?」
洵「ああ」
――並んで歩き出す2人。
洵「ご機嫌そうだね、輝君」
翠川「うんっ!オレ、クリスマスって好きなんだ。おいしい物食べられるし、それにみんな楽しくなるもんなっ。そういえば、どうしたの?それ」(洵の紙袋を指差す)
洵「ああ、これね」(紙袋を抱えなおして)「博士に頼まれたケーキの材料」
翠川「そんなにっ?やったあ! 博士のクリスマスケーキ、楽しみにしてたんだっ」
洵「あんまりおだてちゃダメだよぉ。開発ほったらかしても知らないからね〜」
――笑いながら森の小路に向かう2人。
――森の小路、店内。カウンターに瑠衣と黄龍。他に店に比べて、クリスマスらしい飾り気がない。ドアベルが鳴ってドアが開く。飛び込んでくる翠川、その後ろから洵。
翠川「ただいまーっ!」
洵「ただいまぁ」
瑠衣「あっ、おかえりなさい!」
黄龍「おかえんなさーい」
――厨房から出てくる葉隠博士。手にボールと泡だて器。
葉隠「おお、やっと来よったか洵! ホレ、早く材料!」
洵「はいはい、行きますよ!みんな、ケーキ待っててねぇ」
葉隠「ケーキじゃない、ブッシュ・ド・ノエル!」
洵「はいはいブッシュ!」
――厨房に引っ込む葉隠・洵。カウンターに座る翠川。
翠川「ねえ、この店は何かしないの? クリスマスツリーとか、電飾とか!」
瑠衣「そうそう、瑠衣たちで何かしよっかって、今も話してたの。ね、瑛那さん」
黄龍「それそれ。でもマスターの赤星さんが何もしねーんだから、しょーがねえかなって」
翠川「えーっ!?なんでかな〜リーダー……あ、きっと忘れてるんだな!どこにいるの?」
瑠衣「ベースじゃないかしら」
翠川「オレ行ってくる!クリスマスっぽくしようって言ってくるんだっ」
――張り切ってスタッフルームに入る翠川。
――ベースの扉が開く。長い廊下を歩く翠川。横の通路に曲がるが、すぐ戻ってきて、周りを見回してから通路をまっすぐ進む。ドッグに到着。勢いよく入る翠川。
翠川「リーダーっ!」
――ドッグ内を小走りに探して回る翠川。
翠川「リーダー、いないのかな…あっ」
――遠くに田島発見。仕事用のサングラスをかけている。何人かの科学者・技術者とこちらに斜め後ろを向いている。田島に駆け寄りながら呼びかける翠川。
翠川「たじ……」
田島(翠川に気付かず)「ジェットが右に3度ズレるな」
技術者1「連結部そのものの強化は終りましたが…」
――立ち止まる翠川。
科学者1「ランドのリーブ粒子調整で何とかなります」
科学者2「しかしこれ以上粒子を増やすと…」
田島「私が何とかする。腕回りの補修は済んだな」
技術者2「はい!」
田島「よし、あとはスターの補強だ!作業にかかってくれ」
――バラける科学者・技術者たち。田島、設計図を見ながらこちらに歩いてくる。翠川に気付く。
田島「翠川君じゃないか」(サングラスを取る)「何か用かい?」
翠川「あ、あの…リーダー、います?」
田島「赤星か。いや、こっちには来ていないよ」
翠川「そうですか…あっ、ありがとうございますっ」
――慌てて去っていく翠川、後ろから田島が呼びかける。
田島「ああ、翠川君」
――立ち止まって振り返る翠川。
田島「赤星に、あとで来るように伝えてくれないか。たぶん格納庫にいると思うよ」
翠川「は、はい!」
――さらに慌てて逃げるように去る翠川。
――格納庫。オズブルーン操縦席に座る黒羽、機体によりかかる赤星。翠川が顔を出す。
翠川「リーダーいる?」
赤星「おお、輝!」(片手を上げる)「どうした?」
翠川(ゆっくりオズブルーンに歩み寄る)「うん………あの、田島さんがあとでドッグに来てって」
赤星「そうか。ありがとな」
――翠川、オズブルーンに手を置いたまま黙り込む。
黒羽「どうした坊や。言うことを忘れたか?」
――翠川、顔を上げる。
翠川「ううん。オレ…リーダーにさ、もっとお店、クリスマスらしくしようって言おうと思ってたんだ。でもさっき田島さんたちがリーブロボ修理してて、クリスマスだから何だっていう感じで……ねえリーダー」
赤星「なんだ?」
翠川「やっぱりオレも、クリスマスだからって浮かれてちゃダメかな。田島さんたちみたいに真剣にやんなきゃダメかなっ」
――赤星、翠川の肩を叩く。
赤星「真面目だな、輝は。でもな、そんなにガチガチになんなくてもいいんだ。祝いたいならどんどん祝え! それにな、田島さんたちはクリスマスだからどうとかじゃなくて、仕事が好きだからやってるんだ。だから気にしなくてもいいさ」
翠川「ホント!?じゃあリーダー、お店もっと飾りつけしようよ!ツリー出して、電飾つけて…」
赤星「え…ええ?別にいいけど、俺はそういうのよく分からねえし……く、黒羽!どうしよう?」
――黒羽、ちょっと赤星を見て、翠川に視線を移し微笑む。
黒羽「坊や、そういうことは瑛ちゃんや瑠衣ちゃんと一緒にやった方がいいんじゃないか。リーダーから許可は下りたんだ、好きにやるといい」
翠川「はいっ!じゃあオレ、行ってきます!」
――走って帰っていく翠川。
赤星「クリスマスかあ…あんまり考えたことなかったなあ。なあ黒羽、やっぱりそんなたいそうな事なのか?」
黒羽「景気のいい話じゃねえか。現代の文明の産んだ、哀しい虚飾だな」
赤星「またそんな事言うだろ。あ〜あ、なんかカヤの外だな、俺たちは。黄龍辺りだったらきっと楽しみ方も分かるんだろうが…」
黒羽「お前にゃ無理って事だ。な、オズブルーン」
――黒羽、オズブルーンのコクピットをコンと叩く。オズブルーンの人口知能ランプが光り、発信音。
オズブルーン(ピピーッ、ピ・ピ…)
黒羽「なに、お前は祝いたい? そうかぁ…」
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