★第19話 (1/5)
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――夜、家路につくサッカー少年たち。
少年1「メチャクチャ暗くなっちまったなー」
少年2「延長しまくったもんな!」
少年3「でも信也のシュート凄かったよな、あれがありゃ都内予選も楽勝だぜ!」
信也「へへっ、まあな」

――十字路で別れる少年たち。一人走って帰る信也少年。角を曲がったところで、誰かに腕を掴まれる。振り向いて驚愕の表情。
信也「うわあーーっ!!」
――曇った夜空に響く信也の悲鳴。



――町を歩いている赤星ら5人。買い物袋を抱えている赤星、翠川。楽しそうにあれこれと店先を見て回る瑠衣と黄龍。後ろから歩いてくる黒羽。
赤星「まだ買い物する気かぁ?」
翠川「なんかこういうの久しぶりだなっ、オレも家にいた時はよく妹たちと買い物したっけ」
赤星「よくあんなに見るもんがあるよ。飽きねえか、輝」
翠川「全然!」

――赤星、黒羽に振り向く。
赤星(げんなりした顔を作る)「んん〜?」
黒羽(両手を広げて顔を横に振る)「んん〜」

――突然、道の先から何かが派手に壊れる音。事務所らしき所のドアをぶち破って吹き飛んで出てくる、ガラの悪い男。咄嗟に注目する5人。


――壊れたドアの向こうから突き出ている、ライダーグローブをはめた正拳。横のドアから慌てふためいて飛び出してくるヤクザ風の男たち。計8人。突き出た正拳が中に引っ込む。次に白いジーンズの足が出てきて、全身。白ジーンズに青いブルゾン、ライダーグローブという出で立ちの佐原瞳!
――道の向こうで驚く5人。
―――ヤクザたちに囲まれていながら、余裕の笑顔の瞳。

瞳「どう?まぐれじゃなかったでしょ」
ヤクザ1「うるせえ小娘、やっちまえ!!」

――背後のヤクザ1、ナイフの刃を出すが、その瞬間瞳の後ろ回し蹴りが飛ぶ!顎にヒット、吹っ飛ぶヤクザ1、気絶。左腕を振りかぶって、反転の勢いでヤクザ2に右掌打。みぞおちにパンチ二連打。ヤクザ3のパンチを受け止めて、その力を利用して投げ。投げ飛ばされたヤクザ3の足が4の脳天にヒット、折り重なってダウン。逃げるヤクザ5の襟首を捕まえて両首筋に手刀。さらに回し蹴りから飛び蹴りに持ち込んで8人全員倒す。瞳、軽く髪を整える。

瞳「さてと…あとはお上に任せて、退散と行きますか!」

――横に停めてあった大型バイクにまたがる瞳。
黒羽「瞳ちゃん!」
――駆け寄ってくる5人。気付く瞳。
瞳「健さん!」

――明るく手を振る瞳。

タイトルin 『正体見たり!!燃えよ探偵怒りの鉄拳』


――佐原探偵事務所。応接用のソファに座っている赤星たち。ブルゾンと手袋、ヘルメットをフックにかける瞳。横に黒羽の帽子がかかっている。
瞳「待ってて、今飲み物持ってくるから」

――瞳、奥の部屋に引っ込む。入れ違いで出てくる佐原のおやっさん。
佐原「やあ、いらっしゃい」
赤星「お邪魔してます」
黄龍「ちーぃス」
翠川「初めましてっ、オレ翠川輝って言う者です!」
瑠衣「あたしも初めまして、桜木瑠衣です」
佐原「初めまして。ここの所長の佐原だよ」

――佐原と黒羽、目が合う。わざとらしく笑み交わす。
黒羽「おやっさん、只今戻りました」
佐原「はいはい、只今…じゃないよ健。お前はね、ただでさえ一旦出てったら戻ってこないんだから。まあ今は赤星君のところにいるそうだからいいんだけど、いや良くはないが…」

――ドアが開き、瞳が出てくる。手にいくつもコップの乗った盆。
瞳「お父さん!もういいじゃないその話は。赤星さんに悪いわよ」
赤星「すみません所長、いつもいつも迷惑ばっかり…」
佐原「いや、構わんよ赤星君は。いくらでも使ってくれていいんだよ、悪いのは健なんだから」
黒羽「なんで?」
佐原「いいからお前は報告書の整理でもしなさい!書類だけでも山積みなんだよ、もう」
黒羽「手当てはいかほど……」
佐原「あのねえ健、わたしはおやっさんですよ」

――佐原と黒羽の間に割って入る瞳。
瞳「健さんの負け!書類の整理なら見ただけでできるでしょ、はいお仕事っ!」
黄龍「所長と瞳ちゃんには頭上がんねーんだよねー、あの黒羽が」
佐原「黄龍君、君もね」
黄龍「えっ」
黒羽「はっはっは」

――罵りあいながら仕事部屋に引っ込む黒羽と黄龍。代わってソファに座る佐原と瞳。飲み物を配る瞳。
瞳「どうぞ。輝君と瑠衣ちゃんは、ジュースにしといたわね」
翠川「えっ?」

――笑い出す赤星。笑いをこらえる瑠衣。
瞳「えっ…どうかした?」
赤星「瞳さん、こいつこんなんだけど、実は21なんだよ」
瞳「ええっ?……やだ、私より1つ上じゃない!」

――むくれる翠川、笑う赤星。やっぱり笑う瑠衣。
翠川「何だよリーダー!瑠衣ちゃんもぉ〜」
瞳「ご、ごめんなさい!えーと…翠川さん!」
翠川「あっ、い、いいんです瞳さん!オレよく間違われるから…」(ジュースの入ったコップを持って)「それにオレ、コーヒーよりジュースの方が好きだから」
佐原「ははは…瞳も、まだまだ人を見る目がないなぁ」(電話が鳴る)「ちょっと失礼するよ」
――電話に出に席を立つ佐原。

瞳「ホントにごめんなさいね、翠川さん」
翠川「いいですよ、慣れてますもん。でも瞳さんスッゴイですよねっ!黒羽さんから聞いてたけど、こんなに凄いとは思いませんでした!」
瑠衣「瑠衣も!憧れちゃうなぁ、あんなに強いなんて」
瞳「や、やだ、そんなことないって!」(両手を横に振る)「ホントに、あれは相手も少なかったし…それに大概が見かけ倒しだったのよ。それに私くらいで驚いてたら、健さんの仕事ぶりなんかとてもじゃないけど信じられないわよ」
瑠衣「え?」
瞳「えって、健さん、OZの護衛……あ、瑠衣ちゃんは別にOZの職員じゃないもんね。健さん今、OZの人の生き残りの護衛をしてるのよ」
翠川(赤星に耳打ち)「護衛って?」
赤星「ここでは、そういうことになってるんだ」
瞳「何か?」
赤星「いや、ちょっとな!ははは…」
瞳「そう。…それにしてもOZと言えば、最近評判のオズリーブスよね〜」

――思わず顔がひきつる赤星ら。
瞳「ねえ赤星さん、どうにかならないかしら?あの5人」
赤星「えっ?」
瞳「知り合いのカメラマンがあの5人が戦ってるとこでずーっとカメラ回してたのよ。この前見せてもらったけど、あれ危ないわよ」
赤星「危ないって…そりゃ危ねえだろうな、あんな化け物と戦ってるんだから。あ、俺は下っ端で、何も教えてもらえねえんだ」
瞳「そうじゃないのよ。もちろんそれもあるけど、あの人たち自体のこと。あのスーツって総合的な運動能力なんかをすごく高めるんでしょ?確かに力とか瞬発力はものすごいけど…それを差し引いて見てみたらとんでもないわよ!OZに勤めてる赤星さんにこんなこと言うのは悪いけど…ううん、だからこそ言わせてもらうわ。スパイダルって連中相手の特殊部隊って触れ込みだけど、あいつら特殊部隊どころか素人よ」
赤星「え……?」
瞳「確かに単純な攻撃力とかスピードは凄いわ、でも動きが全然なっちゃいないのよね。パッと見はハデだし、事実化け物たちを倒してるから分からないけど…あれは訓練を受けた戦闘ができる人間の動きじゃないわ。隊形も取れてないし、断続的で隙だらけよ。赤星さんなら気がついてるでしょ? あの…黄色と緑とピンク! 付け焼刃もいいところだわ」

――衝撃を受ける赤星ら。静かにコーヒーをすする瞳。
瞳「ヒーローだって持てはやされてるけど、私はなーんか信用できないな。…赤星さん」
赤星「…あ、ああ」
瞳「こんなこと言って悪いと思ってるわ、でもいつか言おうと思ってたの。あのスーツが条件に合う人しか使えなくて、その条件っていうのが割りと『普通の人間』だっていうのは知ってるわ。でも……」

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