★第19話 (2/5)
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――瞳、カップを置いて笑う。
瞳「ごめんなさい!しょうがないわよね、こんなこと言っても。実際成果上げてるんだから、それでいいわよね。戦ってくれてるんだから感謝しないとね。私、自分が少し格技をやってるからって口が悪いわ。赤星さん、気にしないで!」
赤星「いや、いいよ。本当に…俺だってちょっと気になってたんだ」
瞳「ありがと。OZの人たちは頑張ってるんだもんね。…そういえば、瑠衣ちゃん?」

――少し意地悪そうに笑って、瑠衣の顔を覗き込む。
瑠衣「はい?」
瞳「OZの人じゃないのに、健さんと仲良しね〜。…どういう関係?」
瑠衣「えっ…………ち、違います!瑠衣と黒羽さんはそういうんじゃ………あ!あの、もしかして瞳さんと黒羽さんて………ご、ごめんなさい!ホントに違うんです!」
瞳「…………瑠衣ちゃんったら」

――大笑いする瞳。赤星も爆笑。
瑠衣「えっ、あの…」
瞳「あははは、はー、ごめんね瑠衣ちゃん。違うのよ」
瑠衣「ええ?」
瞳「そういうんじゃないの。健さんは私のお兄さんだもの」
瑠衣「ええっ?じゃあ、ご兄妹………。でも黒羽さんって…?」
瞳「違う違う、お兄さんみたいな人ってこと」
瑠衣「そっか、黒羽さんはOZに来るまでここで暮らしてたんですもんね」
瞳「ええ。だからって訳じゃないけど、健さんは私のお兄さんよ」
瑠衣「いいなぁ、黒羽さんがお兄さんなんて。瑠衣一人っ子だから、あんなお兄さんが欲しかったんだ。…じゃあ瞳さん、瑛那さんのことは…」
瞳「黄龍さん?……あら、瑠衣ちゃんってひょっとして」
佐原「瞳!」(受話器を置く)
瞳「はい!」
佐原「今からお客さんが来るんだが、ちょっと迎えに行ってくれないかね」
瞳「分かった、行ってくるわ」(赤星らに)「健さんと黄龍さんがサボらないように見張ってて!」
――ヘルメットを取る瞳。

佐原「ああ、私の車で頼むよ」
瞳「ええ」

――ヘルメットをかけなおす。ブルゾンの代わりに少し改まったジャケットを取る。
赤星「大変だな、気をつけて」
翠川「行ってらっしゃい!」
瑠衣「行ってらっしゃい…あの、瞳さん?」
(くすっと笑う)「年上の弟!心配しなくてもそれだけよ、黄龍さんは。じゃ、行ってくるわね!」

――出て行く瞳。赤星と翠川、顔を見合わせる。

――仕事部屋から出てくる黄龍。手に書類。
黄龍「あのさー所長、これ訳わかんねーんだけど」

――黄龍の後ろでまたドアが開く。ドアに後頭部を叩かれ、そのまま壁に激突。
黄龍「はぶっ」
――黒羽が出てくる。
黒羽「おい待て瑛ちゃん。…ん?どこだ瑛ちゃん。逃げたんじゃねえだろうな」
黄龍(ドアの向こうから出てきて)「ここだよ!どこに目ぇつけてんだ!」
黒羽「ここ」(自分の目を指差す)
黄龍「見りゃ分かるってーの、ったくどーゆー耳してんの」
黒羽「こうゆう耳」(耳を指差す)
黄龍「あーっ振るんじゃなかった!俺様のバカ!」
黒羽「おお〜分かってるじゃないか。その通りだ」
黄龍「うるさいっ!!!」
黒羽「うるさいのはお前だよ、少々書類が分からんくらいで。見せてみろ、ん?」(書類を取り上げる)「こんなもんも分からんのか。これは”あ”だ」
黄龍「読める!!」
黒羽「じゃあ読めばいいだろ。読めるものなら読んでみろ」
黄龍「頼むから俺に話をさせてくれよ!!」
黒羽(書類を佐原に差し出して)「おやっさん!瑛ちゃんめはこれの意味が分からんそうです」
佐原「どれどれ」
黄龍「俺様はまだ何も言ってね〜っ」
佐原「あー、これはねえ」

――ソファに座る佐原。
佐原「実はまだ公表されてないんだがね、ここ2日で都内の10歳前後の子供が6人もいなくなってる。それに関して調べていたんだよ。報告書の中に紛れ込んでたらしいね」
赤星「子供が失踪…!?」
翠川「たった2日で、6人も!?」
瑠衣「そんな事件が起きてたなんて…」
黒羽「だからそう言おうと思ったのに、こいつは」
黄龍「じゃ言やいいじゃん」
黒羽「言う前に出てったんだろ」

――黄龍、黒羽のスカーフを引っ張ろうとする。黒羽、その隙を突いて腹にパンチ。
佐原「よしなさい」

――気をつけの姿勢をとる黒羽と黄龍。
赤星「でも、そんなこと俺たちに言っていいんですか?」
佐原「健と黄龍君が連れてきたんだからね、それだけで十分信用できるじゃないか」
赤星「所長……」
佐原「それに言ってしまえば引っ込みがつかなくなって手伝いくらいはしてくれると思ってね」
赤星「所長……」


――ドアが開いて瞳が帰ってくる。
瞳「ただいま。来てもらったわ」

――瞳の後ろから30歳そこそこの夫婦と、10歳くらいの少年。
佐原「いらっしゃい。あ、こちらへどうぞ」

――ソファから立つ赤星ら。夫婦と少年、佐原と瞳が座る。
佐原「中川さんでしたね。ご用件はお電話の通りで…」
中川父「はい。どうかこの子を、信也を守って頂きたいんです」

――軽く頭を下げる信也少年。
中川母「夕べもサッカーの帰り、黒い服の男に狙われたんだそうです。その時も偶然人が大勢来て助かったそうなんですけど…またそんなことがあったら…」
佐原「その前はご自宅のの前で狙われたんですね。ご住所も知られているという事でしょう……できればこちらで信也君をお預かりして護衛したいのですが、構いませんか」
中川父「ええ、それは電話でもお話した通りです。信也もいいと言ってくれましたので。な、信也」
信也「お願いします!」
佐原「そうですか。それでは…」

――信也の目線の高さに身をかがめる瞳。
瞳「信也くん、大丈夫よ。お姉ちゃんたちが必ず君を守ってあげるから」(頭を撫でる)「ご安心下さい、信也くんのことは私たちに」
中川父「ありがとうございます。こちらが都内で有数の事務所と聞いて来ましたので…」
佐原「そこはもう。大丈夫です、ご心配なく。一流の探偵ばかり揃えておりますので」

――驚く黄龍のアップ。
中川父「それじゃあ信也、探偵さんたちの言う事をよく聞くんだぞ」
中川母「母さんたちは行くけど、無事でいてね」
黒羽「なるべく頻繁に電話を入れてあげて下さい」
中川母「はい。信也のこと、お願いします」

――出て行く信也の両親。信也、瞳に連れられて奥の部屋に。
黄龍「…ねえ所長、一流の探偵って、所長と瞳ちゃんと黒羽の3人だけで『揃えて』ってのはちょ〜っと誇大広告じゃないスか?」
佐原「誇大広告?人聞きの悪いことを言うんじゃありませんよ」
黄龍「………ていうか俺様のことも?」
佐原「そうですよ、早く素直にそう聞きなさい」

――黄龍の背中を叩く黒羽。
黒羽「という訳だ。オレたちはそっちには行かんよ」
黄龍「わりー赤星さん、連絡はすっからさ」
赤星「いや、そっちが本業なんだからな。頑張れよ」
黒羽「もちろん」



――スパイダル基地。司令室に四天王とBI。四天王に振り向くBI。
BI「見事だシェロプよ。2日でこれだけの優れた材料を集めるとは」
シェロプ「はっ。…まあ、これが優れた血筋の者のなせる技という訳ですな」

――後ろの他3人を見て嘲笑。舌打ちするスプリガン、地団駄を踏むゴリアント。思い切り不機嫌なアラクネー。
BI「体力、知能指数など突出して優れた人間をさらい、我がスパイダルの改造兵士に仕立て上げる! しかも順応能力に優れた子供を使い洗脳を施せば、3日もあれば完璧なスパイダルの兵士となる…… 素晴らしい計画だ。シェロプよ、現在の状況は!」
シェロプ「はっ。すでに最初にさらった子供は80%ほど進んでおり、あと1日あれば改造、洗脳ともに完璧!他の子供も順調に進んでおります。全てはこの……」

――闇から出てくる陰。丸い体に棘のついた巨大な腕、触覚……
シェロプ「我が暗黒怪魔軍最強の戦士、マルキタガメロスの力!!」

――怪人の全身が登場。テロップ(暗黒怪魔人 マルキタガメロス)
シェロプ「こ奴の腕の棘から出す毒液は、人間の体に入り込むとその肉体を暗黒次元のものに変えてしまう。注入されて約3日で、個人の差はあれど順応能力の高いものは完全に暗黒次元の怪人に変わり、体力の低い者順応できない者は生命力を吸われ死んでいく……人間の子供をさらい改造するという私の計画にマルキタガメロスが加われば、正に完璧でございます!!」

――小声で言い合う他3人。
ゴリアント「何言ってやがる、その計画はオレっち3人が考えた……!!」
アラクネー「いつの間にスパイを放っていたのか……なんという奴! 八つ裂きにしても飽きたりぬわッ」
スプリガン「侯爵の野郎おぉ……だがもう遅い、これが成功したら完全に奴の手柄だぜ、ちくしょう!」

――歩いてきて、3人の横で立ち止まるシェロプ。
シェロプ「いや、諸君が羨ましい。作戦指揮でしかも戦果を上げているとなると、無駄口を叩いている暇もないのでなあぁ…くっくっく、フハハハハハハハ!!!」

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