★第19話 (4/5)
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――スパイダル地上基地。研究所のような部屋、働くアセロポッド科学班(白いアセロポッド)子供の入ったカプセルが6つ並んでいる。中の子供たちは個々の差はあれ、体の大半が怪人化している。後ろに数人のアセロポッドを従えて現れるシェロプ。
シェロプ「ふっふっふっふ……素晴らしい!」
――カプセルの中を見下ろすシェロプ。
シェロプ「この調子で行けば改造人間の軍団を作り上げることも夢ではない……
それを人間どもの社会に送り込めば三次元攻略など容易いことよ……!!」
――カプセルから離れる。
シェロプ「そうなればこの私も皇帝陛下の覚えめでたく、あの小うるさいブラックインパルスめを
蹴落とし抹殺することも…………」
――特警本部、集中治療室の外。ソファに黄龍が座っている。ドアが開いて赤星、翠川、瑠衣がやってくる。
赤星「黄龍!」
黄龍「ああ、みんなか…」
翠川「瞳さんがケガしたって!?」
黄龍「ケガっていうか……」
――治療室から出てくる医師。立ち上がる黄龍。
黄龍「先生!瞳ちゃんは!」
医師「ご心配なく。あの棘は身体機能をマヒさせるだけのものです。瞳さんでしたか…非常に鍛えられて体力も抜群にありますから、すぐに回復するでしょう」
黄龍「そうスか…」
医師「まあ、すぐここに運んだのは正解でした。他の病院では正しい処置はできませんからね」
――赤星たちが入ってきたドアからやってくる竹本。
竹本「野々山先生、どうですって?」
野々山医師「大丈夫です」
竹本「あーそりゃよかった」(赤星に片手を上げる)「おう、ご苦労」
赤星「ご苦労様です。…みんな、特警隊長の竹本さんだ」
翠川「あ、オレ、グリーンの…」
竹本「翠川と瑠衣ちゃんと、そっちが黄龍だろ。聞いてるよ、ご苦労さん」
――またドアが開く。三上登場。ところどころに軽傷。
三上「竹さぁ〜ん早見たちが……」(赤星らを見とめて)「…お〜これはこれは初めまして龍球戦隊の皆様、雁首揃えてボンソワール」
竹本「おい三上……あ、こいつはこう見えても刑事でね」
三上「ミーは特警刑事ジャン三上!話は聞いたネ」(薬箱からバンソウコウを出して腕に貼る)「子供はさらわれて、オマケに怪人から一般市民を守れなかったって? 絵に描いたサイテーね!」
黄龍「何だとこのっ……」
赤星「黄龍!」
――黄龍を羽交い絞めにする赤星。部屋を見回す三上。
三上「…クロはどうしたネ?お一人で休暇?ハァ〜イ!」
黄龍「あいつは他に用事あんだよっ…」
三上「ふぅーん用事!用事たあ良かったネ!ったく……ユーたちいい加減にしてヨ! 無線でドクから聞いたけど、クロが正体バレるとマズいからって言って怪人が出たにも関わらず着装しなかった!その結果子供はさらわれて」(治療室を指差す)「あんな被害を出したネ!!」
翠川「でもっ、瞳さんは助かるって……」
三上「ミドリ、それは今回限りのラッキーね!普通なら一発でオダブツよ。これだからミーはいつも言ってるヨ、ユーたちプロ意識ゼロね!! (治療室を指差す)「ユーたちよりあのマドモアゼルの方がよっっぽど有能ネ! そのスーツに合う条件とやらが憎たらしいヨ…」
黄龍「てめえ、いい加減に……!!」
三上「何だとお、キ!何か文句あるネ?」
――割っては入る赤星と竹本。
赤星「もういい、やめろ黄龍!」
竹本「分かった分かった、そこまでだ!」
――制止する赤星の手を振り払う黄龍。
黄龍「分かったよ!……でもよ、あんた三上っての?」
三上「あ〜ん」
黄龍「……着装しねーように言ったのは俺様だよ。黒羽はそんなこと言ってねーの、あんたの情報違い」
三上「あ、そ。まどっちにしろユーたちが無能だってのは変わりないネ」
竹本「いいからお前さんはもう行け。またドヤされんぞ」
三上「ウィ、行ってきます!」
――軽く敬礼して飛び出していく三上。
竹本「いやあ…すまんね。あいつ、あれはあれでハッパかけてるつもりなんだけどね…まあ気にしなさんな。ああ見えて働き詰めで、イライラしてんだよ」
赤星「いえ、実際そうですから」
竹本「お前さん27だっけか? えれえよなあ、お前さんはなあ…じゃあ、おれももう行くよ」
――出て行く竹本。
瑠衣「…赤星さん…」
赤星「どうした瑠衣」
瑠衣「やっぱり……やっぱりダメなのかな、あたしたち。瞳さんやあの刑事さんの言った通り、素人で役に立たない…のかな」
翠川「刑事さんが言ってたけど、瞳さんが助かったのってラッキーだもんな…その瞳さんだって、特警の人たちだって生身で戦ってるのに、オレたち…っ」
赤星「お前ら…」
翠川「だって、だってオレたちスーツやロボに頼って、OZの人たちに支えてもらってやっとなんだよっ。でもオレたち以外のスパイダルと戦う人たちは、そんな物ないのにオレなんかよりずっと……」
――ドアが開く。黒羽登場。
黒羽「おぅ…」(帽子を上げる)
赤星「おう」
――黒羽、口元が切れている。かすかに殴られたような跡。
瑠衣「黒羽さん、どうしたの?」
――駆け寄ろうとする瑠衣、黄龍にとめられる。
黒羽「瑛ちゃん、瞳ちゃんは」
――治療室のドアが開き、野々山医師が出てくる。
医師「皆さん、瞳さんが……」(黒羽に気付く)「あ、黒羽さんですか…。瞳さんが気付かれました。お入りください」
――治療室に入る5人。ベッドに横たわり、薄く目を開けている瞳。
黒羽「瞳ちゃん!」
瞳「健さん……」
――黒羽、ベッドの横の椅子に座る。顔を黒羽に傾ける瞳。
黒羽「よかった…」(溜息)「ああ、信也君のご両親にはオレが伝えてきた」
瞳「ごめんね、ドジ踏んじゃって………………健さん、これ」
――ベッドの中で、ポケットから小さなコントローラーのような機械を取り出す。受け取る黒羽。
瞳「気絶する前に、あの化け物に発信機を……レーダーは事務所にあるから早く…特警に連絡して、オズ………」
――また気を失う瞳。
黒羽「瞳っ……」
――立ち上がる黒羽。
黒羽「…あとをよろしくお願いします」
医師「ええ。…どうされました、その顔は」
――黒羽、口元の傷に軽く触る。
黒羽「いえ、私の不注意です」
黄龍「どーでもいいだろ、んなことはよ…」
――黄龍、不機嫌そうに治療室を出る。後ろに黒羽。
黒羽「すまんな」
黄龍「何がよ」
――続いて出る3人。外には保護された子供が増えている。
赤星「みんな」
――4人の顔を見る赤星。
赤星「確かに俺たちは戦闘部隊としちゃ素人集団だ。だけどな、瞳さんや三上さんは、だからってやめちまえと言ってるんじゃねえ。素人だろうと何だろうと、俺たちはリーブスーツを着て戦えるスパイダル相手の最後の切り札なんだ。その自覚と責任と覚悟を素人とは言え、いや素人だからこそ強く持って、 人々の自由と平和を守る『龍球戦隊オズリーブス』であれと…言ってくれてるんだ!」
翠川「…最後の、切り札」
瑠衣「人々の自由と平和を…」
赤星「それにな、何の期待もしてねえ奴らがどうだろうと、あそこまで言わねえだろ?」
翠川「う、うん!」
赤星「ああ。全ては俺たちに希望を持ってくれるから…だから俺たちは、素人だからなんて言い訳したり、他の誰が立派だからって悩んだりする前に、どんな時もベストを尽して戦うんだ!!」
――佐原探偵事務所。レーダーを睨む佐原。通信機を持つ黒羽。
黒羽「ああ、ポイント482だ。いや動かん。オレもすぐそっちに行く、ああ、先に行ってくれ」
――通信を切る。
黒羽「じゃあおやっさん、あとは頼みます」
佐原「ああ、お前もしっかりな。必ず信也君を助けるんだ」
黒羽「はい」
――フックから帽子を取る。
佐原「ああ、ちょっと」
黒羽「はい?」
――振り向く黒羽。佐原、立ち上がり、黒羽の前に立つ。
佐原「危なくなったら」
――黒羽の手を取り、リーブレスを軽く叩く。
佐原「今度はちゃんとこれを使いなさい。5人で助け合ってね」
黒羽「おやっさん………」
――佐原、黒羽の手を放し背中を思いっきり叩く。
佐原「あのねえ、おれはおやっさんですよ。そんなことが分からないとでも思ってたのか!」
黒羽「お、おやっさん、いつから…」
佐原「いいから早く行け!」
黒羽「…はい!」
――黒羽、帽子を深くかぶって飛び出していく。
――スパイダル地上基地。子供改造カプセルの周りでアセロポッド科学班が働いている。通路を見回りする戦闘アセロポッド隊(黒アセロポッド)。十字路で二手に別れる。5人の班、角を曲がったところで突然横道に引きずり込まれる。
――研究室。マルキタガメロスが現れる。敬礼するアセロポッドたち。
マルキタガメロス「どうだ、改造は……順調か?」
アセロポッド「はっ、既に最初に改造液を投与した子供は、もう数時間もあれば完全に怪人化致します」
マルキタガメロス「ふむ、よかろう。………………むっ」
アセロポッド「どうかされましたか」
マルキタガメロス「いや……よしっ、そこの2班!ついてこい。貴様ら班は残って引き続き監視だ」
――10人近くのアセロポッドが敬礼、マルキタガメロスの後ろをついていく。研究室から出て行く。残った戦闘アセロポッド5体、頷き合ってカプセルに駆け寄る。スイッチやコードを探り始める。
アセロポッド1「これだ!このコードを…」
――アセロポッド1の背中に銃口が突きつけられる!背後で銃を構えている別な戦闘アセロポッド隊。その後ろにも縦に並んでマシンガンを構えているアセロポッドたち。さらに後ろの階段の上に現れるマルキタガメロス。
マルキタガメロス「貴様ら何者だぁ……マスクを取れ!!」
――アセロポッド、マスクをむしり取る。マスクの下の顔は赤星!
赤星「くそっ、バレちまっちゃあ仕方ねえ!!」
――赤星、アセロポッドを殴り飛ばしてスーツを脱ぎ捨てる。続いてマスクとスーツを脱ぎ捨てる他4人。赤星、アセロポッドの銃を蹴り飛ばす。マシンガンを向けるアセロポッド、銃が吹き飛ぶ。煙の立つ銃口を向け構えている黄龍。黒羽、ギターでマシンガンを弾き飛ばす。5体に周りを囲まれるが、次々と殴り、蹴りつける。パチン!と指を鳴らすと一斉に消えるアセロポッドたち。
マルキタガメロス「そこまでだ、こわっぱども!これを見ろ!!」
――振り向く赤星ら。そこには天井から吊るされている、気絶している信也少年!その下には硫酸のプールが!!
黒羽「信也君!!」
マルキタガメロス「ふっふっふっふ…これは濃硫酸のプールだ、この縄を切ればこの小僧の体は骨も残さず溶けてなくなる!!ふははははは、どうだそれでも抵抗するか!!」
赤星「くっ……!!」
翠川「卑怯だぞスパイダル!!」
マルキタガメロス「どこの馬の骨か知らぬが、目障りだ!!……しかし貴様らの戦闘能力、殺すには惜しいものがある。貴様らも改造人間にしてくれるわ………」
翠川「くっそお……信也くんを、あの子を放せ!!」
マルキタガメロス「ほほおぉ元気がいいな小僧。まずは貴様から……」
――尖った腕を翠川の喉元に当てる。
赤星「待て!!まずは俺をやれ!!」
マルキタガメロス「んん〜?」
翠川「リーダーっ」
赤星「心配すんな、俺の耐久力なら……多少喰らったってどってことねえさ」
マルキタガメロス「おうおう…これは仲間思いなことよなぁ。よかろう、貴様からまずは餌食にしてくれる!!」
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