★第2話 (2/4)
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――オズベース、コントロールルーム

赤星(意外そうに)「企業機密のガード、ですか?」
葉隠「ああ、昔の教え子からちょっと頼まれたんじゃよ」
――モニターに研究所の写真。「足利石油化学 中央研究所」という看板。次々に流れる映像に葉隠の声がかぶる。
葉隠「先日、この研究所で、ガソリンや軽油の99%を燃焼できる新しい触媒を開発したんじゃ」
黒羽「ああ、思い出しましたよ。最近株価が急騰してる会社ですね?」
赤星「99%ってことは、従来排出されてた有毒物質すら燃やせるってことでしょう?
   そりゃ、すごい環境対策じゃないですか!」

葉隠「完成すれば素晴らしい恵みをもたらすだろうな。ただ、現在の段階では反応速度の
   制御ができておらんので、燃焼反応が苛烈に進みすぎてしまうのだよ」
――モニターに実験の映像。小さな容器に入れたオイルが大爆発を起こす。
赤星「なんてこった‥‥。今の段階でこの触媒が悪用されたら‥‥」
黒羽「‥‥そこら中に転がってる材料で爆弾が作れるって寸法か‥‥」

葉隠「この触媒を開発したのが儂の教え子の合田という男でな。あと2、3日うちには完全に
   制御できるようになるというのだが、なんと昨晩、この研究所に賊が忍び込んだんじゃよ。
   幸い触媒は無事だったし、警察にも警護を頼んでいるのだが、ものがものだけに、
   彼も非常に心配しておってな。で、お前達に密かにガードに入って欲しいんじゃ」
黒羽「そういうことなら、お手のものですよ。お任せ下さい」
赤星「だな。よし、俺、今回はお前の言うこと全面的に聞いてやらぁ!」
黒羽(肩をすくめて)「ウソつきは泥棒の始まりですな‥‥」

――笑い声をバックにモニターに映る研究所がそのまま画面に広がる。入り口側に駐車している赤星の車。応接室に通されている赤星と黒羽。応対をしている白衣の男。

合田「本当に申し訳ありません。警察を信じていないわけではないんですが、
   本当にこれが悪用されたらと思うと‥‥」
赤星「わかっています。できる限りのことはさせていただきます」

――ノックの音がして男が入ってくる‥‥
合田「あ、この研究所の責任者、部長の北原です‥‥」
北原「お待たせしま‥‥あ、あなたたちは‥‥」
赤星/黒羽「北原さん‥‥!?」
合田「あれ、お知り合いだったんですか?」


北原「驚きました‥‥。あなた方がそこまで葉隠博士の信頼の厚い方々だったとは‥‥」
赤星「まあ、色々ありまして‥‥」
黒羽「とにかく、その問題の機密がどういう状況にあるか詳しく聞かせていただけますか?」

――合田が金属製のアタッシュケースを開けると黒い粉の入ったビンが2本入っている。
合田「これが制御不能の触媒です。これに別の物質を混ぜて安定させようと研究中なんですが、
   それが終わるまではどうしてもこの状態が必要なんです。
   成功したら、もう純粋な形で製造することはしません」
赤星「葉隠博士の話では、あと2、3日で開発できるということでしたが?」
合田「はい。できると思います」

黒羽「つまり、その間、守りきれば、この危険な状態は存在しなくなるわけですね?」
北原「その通りです。この触媒は環境問題にも資源問題にも非常に有効な手段となりうる。
   ですからなんとしてもこの危険な時期を乗り切りたい‥‥。
   私が九州工場に回るのも、これをできるだけ安価に製造すること考えての事なのです」
黒羽「わかりました。とにかく開発が終わるまでこちらに泊まり込ませていただきます」

――ノックの音がしてドアが開く
秘書「北原部長。警察の西条刑事がお見えですが‥‥」
北原「ああ、お通ししてくれ」(赤星たちを向いて)「警備の責任者の‥‥」

――赤星と黒羽、すでにそっぽを向いている。西条、部屋のなかへ‥‥
西条「また、お前達か‥‥」
赤星「はあ、どうも‥‥」
黒羽(ヒュ〜ウッと口笛)「それはこっちのセリフですね、先輩‥‥」

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