★第2話 (4/4)
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――造成地。黒い車が一台と少し離れたところにサングラスの男4、男5。もう一台の車が来て、北原が降りてくる。手には金属製のケースを持っている。

北原「約束通り持ってきた。瑠衣を返してくれ!」
男4「中身を確認してからだ」
北原「せめて、瑠衣の無事な姿を見せてくれ!」

――男4が後ろに合図をすると男6が後部座席から瑠衣を引きずりだす。
瑠衣「伯父様っ」(こめかみに当てられた拳銃に怯えて黙る)
北原「やめろっ 触媒は渡す。瑠衣に手を出すなっ!」

――男4北原からケースを受け取る。ポケットからオイルの小瓶を取り出し、触媒を混ぜる。シャーレに入れて離れた地面に置き、火のついたマッチを投げ込む。オイルは静かに燃えているだけ‥‥
男4「騙したな! 娘を殺せっ」

――と、赤星が車の影から飛び出し、男6の拳銃を奪って殴り倒し、瑠衣を背中に庇う。
赤星「待たせたな!」
瑠衣「あ、赤星さん!?」
――サングラスの外れた男6。ガラス玉の様な目。なんのダメージも無いように起きてくる。
赤星「こりゃまた、えらくタフなお人だこと!」

男4「北原、貴様っ!」
――男4、北原に殴りかかるが、北原、見事にそのパンチをかわして、男4を殴り飛ばす。男4、5、驚いて北原を見る。北原、かぶっていたマスクを取り、ネクタイをゆるめる。その内側には喉の振動から音声を作り出す小型装置。それをつまみ取り、にやりと笑う。
黒羽「人違いのようだぜ、お兄さんたち‥‥」

――飛び込んできた男4の拳をかわしてみぞおちにストレートを決める黒羽。が‥‥
黒羽(拳の感触に驚く)「な、なにっ?」
――サングラスのとれた男4の目。人間離れした無表情さ。ぎょろりと黒羽を見たかと思うと異常なスピードで殴りかかる。黒羽、ぎりぎりでかわす。

――その黒羽を拳銃で狙う男5。と、銃声がして男5の拳銃がはじかれる。飛び込んできた西条。向かってくる男5を一本背負いで地面に叩き付ける。男の顔と服が裂け、中から甲羅に覆われたアセロポッドが表れる。ぎょっとする西条。黒羽が殴りつけた男もアセロポッドの正体を現す。背中合わせに立った黒羽と西条。
西条「な、なんなんだ!?」
黒羽「ただもんじゃねえと思ったが、こんな化け物だったとはな!」


――男6も既にアセロポッドの姿に。襲ってくる刃物のような爪を紙一重でかわしていく赤星。
赤星「本部をあんなにしたのは、てめえらかっ!?」
――スキを見て相手の間合いに入り強烈な拳をたたき込む。たまらず吹き飛ぶアセロポッド。仰向けたアセロポッドの胸を殴りつける。身体がびくんと跳ねて動かなくなる。赤星、ポッドに後ろ手で手錠をかける。警官と北原が駆けてくるのを視界で捉える。
赤星「瑠衣ちゃん、伯父さんのとこに行ってコイツから離れて! 何が起るかわからないから!」
瑠衣「は、はいっ」(怯えた丸い目で、それでも北原に向かって走り出す)

――西条の胸ぐらをつかみ上げていたアセロポッドを、走ってきた赤星が横から殴りつけ、起きあがってきたところをなお、蹴り飛ばす。同時に黒羽もきれいな回し蹴りを決め、ポッドが動かなくなったのを確認。赤星、黒羽、西条、顔を見合わせほっと溜息。三人のポッドの身体を集める。

西条「いったい、こいつらは‥‥」
黒羽「本部を攻撃してきた異次元の奴ら‥‥?」
西条「なんだって?」
赤星「とにかく、葉隠博士に調べてもらわない‥‥‥‥うわっ?」
黒羽、西条「ああっ!」
――アセロポッドの身体が不安定にぶれ、いきなり消える。あとには着ていた服だけが残る。
赤星「しまった‥‥‥‥」
――赤星、思わず膝をつく。確認するように服を押さえるが何もない。黒羽、西条も唖然。


瑠衣「黒羽さん! 赤星さん!」
――瑠衣、後ろのほうから走ってくる。思わず歩み寄って両手を広げた黒羽に瑠衣が飛び込む。
黒羽「無事でよかった!」
瑠衣「ありがと‥‥。本当にありがとね!」
赤星(黒羽の後ろからVサイン)「よくがんばったな、瑠衣ちゃん」

北原「赤星さん、黒羽さん、本当にありがとうございました」
赤星(微笑んで)「いえ‥‥」(瑠衣の方を向き、決心したように)
  「な、瑠衣ちゃん‥‥。俺のとこ、来るか?」
瑠衣「え!?」
赤星「いや、もし伯父さんと伯母さんが許してくれたら‥‥だけどな」

北原(微笑んで)「瑠衣。お二人がいいと言ってくださるなら、お前の好きにしなさい」
瑠衣(伯父に駆け寄って)「伯父様っ 本当にいいの!?」
北原「ああ!」

黒羽(肩越しに赤星を見て小声で)「いいのか?」
赤星(にやりと笑って)「『守ってやりたいんなら手元においとく』のが俺なんだろ?」
黒羽(まんざらでもなさそうに)「オーケー。居候の身としては異存はございませんがね」

赤星「そーいや、黒羽、俺、今回、ちゃんとお前の言うこと聞いたぞ」
黒羽「はいはい。確かに、ボーヤはいい子でしたね」
赤星(へへっと笑って伸びをする)「いい子としては、早く帰って、寝てーやっ」

===***===

――朝。喫茶「森の小路」。エプロン姿の有望がそわそわしている。行き来する有望を見ながらカウンターに座ってる赤星。ボックス席から二人を面白そうに見ている黒羽。
有望「お部屋の準備はできてるし‥‥荷物は運び込んであるし、あとは‥‥。
   あ、ねえ、赤星、昨日言ったことちゃんとわかった?
   ノックもせずに瑠衣ちゃんの部屋に入ったりしちゃダメよ」
赤星「わかってるって。そんなことしねーってば」

有望「まあ、寮みたいにユニットバスからそろってる部屋だから大丈夫だとは思うけど‥‥。
   ああ、あと、瑠衣ちゃん、今度は3年生なんだから勉強のジャマもしないでね。
   あなた、ちゃんと見てあげるのよ」
赤星「数学と理科なら見てやるけど、あとはダメだぞ」
有望「朝は‥‥」
赤星「駅までちゃんと送ってくんだろ。そんなに何回も言わなくたってわかったよ」
有望「ならいいけど‥‥。あなたが女の子引き取るなんて、もう、なんか心配だわ」
赤星「しょーがないじゃないか!」

黒羽「有望さんも、ホント、苦労がつきないねぇ」
赤星「どーゆー意味だよ!」
有望「もう諦めてるわよ」
赤星「おいっ」

――カランカラン‥‥とドアベル。大きなバックを持った瑠衣が入ってくる。

赤星「よ! きたな!」
瑠衣「はい! よろしくお願いしま‥‥」(瑠衣、赤星の隣で微笑む有望に気づいて目を丸くする)
有望「初めまして、瑠衣ちゃん。私、星加有望。よろしくね」
瑠衣(明るい笑顔)「桜木瑠衣です! わあっ、素敵! お姉さんみたい!
   あの‥‥もしかして‥‥?」
――有望と赤星の顔を見比べる瑠衣。有望は頬を染めてうつむくが、赤星はきょとんとしている。その様子に黒羽苦笑。有望や瑠衣もくすくす笑い出してしまう。
赤星「もう、いったい、なんなんだよっ!」
――笑い声の響く「森の小路」。ロングになってエンド。

   (エンディング)

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