★第22話 (4/6)
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赤星「作り物とわかりゃぜんぜん怖くねえのな。井戸から不気味にでてこよーが、どれだけ皿を数えようが、おっけー、おっけー!」
黒羽「皿を数える‥‥?」
赤星「そうそう。なんか一枚足りねえとか言ってたぞ」
黒羽「出し物は四谷怪談だろう? 皿を数えるシーンなんて出てこないぞ?」
赤星「え、うそ‥‥。だって‥‥」
瑠衣(赤星の後からおどろおどろしく)「あなうらめしや‥‥一枚足りぬ‥‥」
赤星「わっ」
瑠衣「赤星さん‥‥。四谷怪談にお菊さんはでてこないの‥‥。それ‥‥本物よ‥‥」
――赤星、目を丸くして瑠衣を見つめると、そのまま気を失って後にぶったおれる。
黒羽「おいっ 赤星!」
瑠衣「きゃーーっ 赤星さんっ」
黒羽「あーもー! どーして鈍感なのに、霊だけは見るかねっ」
瑠衣「ごめんなさーい! 冗談だったのにー!」
黒羽「え? 冗談?」
――瑠衣が指さした先。お化け屋敷のポスター。上に別紙が貼ってある
――<3月16日、17日、スペシャル企画!『番町皿屋敷』恐怖の大公開!!>
黒羽(呆れて‥‥)「瑠衣ちゃん‥‥」
――と、赤星がいきなりむくりと起きあがる。
瑠衣「あ、起きた」
赤星「大変だ! みんなを避難させねーとっ!」
瑠衣「え‥‥? あの‥‥幽霊は‥‥」
赤星「誰か危ねえってのに、幽霊の20匹や30匹なんだってんだ! 来い、黒羽、瑠衣!」
――行ってしまう赤星。唖然と見送る瑠衣。
黒羽「‥‥ほら、瑠衣ちゃん。早く止めないと大変だぜ?」
瑠衣「あーん!! 赤星さーんっ!!!」(追っかけていく瑠衣)
黒羽「‥‥‥やれやれ‥‥‥。しかしまあ、ちゃんと克服できてるじゃねえか‥‥」
===***===
――遊園地俯瞰。大きな建物の屋根の中央あたりに突然現れるゴリアント。その手の上には15cmぐらいの怪人パペッティアがいる。
ゴリアント「ちっくしょーっ まさか三次元のモンスターがあんなに弱いとは思わなかったぜ! あっさり取り押さえられちまった!」
パペッティア「オヤビン、どうしましょー?」
ゴリアント「とにかく、こんな報告したら、シェロプのくそったれが何言いやがるかわかんねぇ! このまま押し切るぜぃ! わかってんな! パペっ!」
パペッティア「へーい! おいら、ちゃんとパペッターの改良しときましたぜー」
――パペッティア背中の矢筒のようなところから細い針のようなものを取り出す。
ゴリアント「よーし、いい子だ――って、どーゆー改良したんだ、てめぇ?」
パペッティア「えーと、この前使ったのは、単に暴れるだけー。で、こっちは、アモクのアニキの毒を改良して、限界パワー引き出すようにしたよー。」
ゴリアント「おー、すげぇじゃねぇか! 成功したら思いっきりアモクのヤローも浮かばれるぜぇ! で、パペッターは何本あんだ!?」
パペッティア「6本だけど、今回はおいらも直に一匹コントロールするよ」
ゴリアント「よーしよし。モンスターは2匹。1匹はお前。1匹はパペッターでコントロール。残りの4本は適当なやつにぶちこめぇ!」
パペッティア「‥‥‥‥オヤビン‥‥残りは5本でしょー?‥‥」
ゴリアント「4本でも5本でもどーでもいいっ! とにかくぶちこみやがれっ!」
パペッティア「やだよぉー。のっぺりしたカッコ悪いやつには打ち込みたくないよー」
ゴリアント「ばっかやろーっ、この世界にはのっぺりしたヤツらしか、いねぇだろがっ? お、そーいや、モンスターの手下っぽいヤツがいたなっ(注:マゲワッパ)あれならどーだ!?」
パペッティア「頭にフサフサ、なーんか生えてんのが、ちょー気持ち悪いよー」
ゴリアント「しょーがねぇな。じゃ、アセロポッド使え!」
――パペッティア、ゴリアントの顔の前に飛び上がる
パペッティア「じゃ、オヤビン、一番強そうなの選んできましょうよー」
――ゴリアント、パペッティアを掴むようにしてそのまま消える。
===***===
――ずっと上空から俯瞰。遊園地中のあちこちを調べて回る3人の情景。赤星、ヒーローショー会場の周囲を調べている。黒羽、公園事務所で探偵の身分証明を使って聞き込み。瑠衣、観覧車から高性能の望遠鏡で下の情景を見ている。
――ヒーロー会場裏。5人。ベンチに座ってスポーツドリンクを飲んでいる黄龍と輝。頭部をとり、着ぐるみの上半身を腰まで脱いだ状態。
輝「あっついよーっ」
黄龍「同じくーっ」
瑠衣(手で二人をぱたぱた扇ぐ。役には立ってないが)「大丈夫? 二人とも?」
赤星「で、どうなんだ、中の様子は?」
黄龍「今んトコ、怪しそーなヤツはいねーぜ?。ま、あのおっさんはちょっと変わりもんだけど〜。ただなー。気になんのは、会場の構造。さっき入れ替えの時、舞台から見たんだけどさ、中でパニックが起ったら、マジやばそうだぜ〜? 階段登らないと外に出られないっぽいし」
赤星「ああ。俺も気になってる。非常口が少ねーんだよな。子供が多いからよけいマズイぜ」
黒羽「園全体の入場者もかなりの人数らしい。ベースでの走査の結果はどうなんだ?」
赤星「サルファの報告じゃ、例の電磁波は検出できてねえ。ポッドも入り込んでねえみたいだな」
黒羽「まあ、ヤツらの狙いがオレ達だけなら、まだいいんだけどな」
瑠衣「レッドとかに入ってる人たちって、どんな人たちなの?」
輝「やっぱ、ちゃんとスタントさんだから、体は鍛えてるよっ エイナより、いいんじゃない?」
黄龍「テル〜、どーゆー意味だぁ〜?」
輝(へへっと笑ってごまかしてから)「でも、リーブスーツって、ほんとに凄いんだねっオレ、感動しちゃった! 今着てるこれ、ほんとに動きにくいんだよー!」
黄龍「科学の粋と着ぐるみを一緒にすんなってーのっ このバカテルっ」
黒羽「そろそろ開場時間だな。とにかく昨日も突然暴れ出したそうだから油断するなよ」
赤星「俺たちも最前列にいるし、ちょっとでもヤバイって感じたら緊急コール出すんだぜ」
輝「うん!」(みんなの前に、本物と偽物のリーブレスを並べてみせる)「でも、オレとエイナのだけ、リーブレスがホンモノなんて、だーれも思わないよね」
黒羽「ほぉ‥‥。大きさも形も、うまく似せてあるんだな」
瑠衣(くすくす笑って)「間違えないでね、二人とも」
(同時に)黄龍「テルじゃあるまいし!」輝「エイナじゃあるまいしっ」
===***===
――ショー開場。整理番号をチェックして人々が入場していく。赤星、黒羽、瑠衣最前列に。と、後ろから赤星の肩をぽんと叩く女性。
赤星「いっ ね、義姉さん!?」
茜「さっすが。いい席とれたんだ。輝くんも、うまくバイトで入れたみたいね」
赤星「な、なんで、そんなこと?」(得意そうにVサインを出す茜)
黒羽「まさか、坊やのことあの連中に教えたのは‥‥?」
茜「あったりー! 昨日の件で、ピンクのスーツアクターがケガしたって聞いてたから。竜くん達がちょうど目立つようなアクロバットやってくれたから、やりやすかったわ」
赤星(はっとして)「た、竜樹は‥‥?」
茜「竜水さんが竜太のジャマになるから置いていけって」
赤星「‥‥‥‥兄貴ってば‥‥。助かるんだか助かんねーんだか、わかんねーよ‥‥。なんで義姉さんも引き止めてくれねーんだよ?」
茜「こんな面白そうな展開、見逃せるワケないでしょ? 止めてもムダだもーん」
――頭をかかえる赤星、鍔を押し下げる黒羽、眼を丸くする瑠衣。
――ショー開始。いきなり爆発から始まる。その中でハリケンジャーの3人がマゲワッパを次々に倒していく。
瑠衣(目の前の爆発に驚く)「うそでしょーっ」
赤星「すっげー! こんなことまでやんのかよ?」
黒羽「これじゃ、マジで何かあってもわからんな」
瑠衣「で、でも茜さん、戦隊ヒーローって、普通5人じゃないの?」
茜「ハリケンジャーは3人なのよ。でも、そのうち5人になるみたいよ」
黒羽「ライブマン・パターン‥‥。ここまでは色の布陣も同じだが、あとがどうくるか」
茜「その通りっ さすが黒羽さん!」
赤星「お、お前、なんでそんなこと覚えてんの?」
黒羽(ちっちっちっと指を振って)「ヒーローのことなら任せておくんだな」
茜「黒羽さんがいるんじゃ、あたしも日本じゃ二番目ね」
黒羽「いえいえ、今回だけは、お譲りしましょう、茜さん」
茜「やった!」
――ステージでは怒り狂っているジャカンジャの怪人1と怪人2
怪人2「くっそー、ハリケンジャーめっ」
怪人1「こうなったら、子供を人質にとって、ヤツラを叩きのめしてやる!」
怪人2「どんな子供がいいかな?」
怪人1「お父さん、お母さんと約束した時間に家に帰らない子供をさらってくるんだ!」
怪人2「それはいい! よーし、いけっ マゲワッパ!」
――マゲワッパ、いっせいにジャンプ。子供を捜して走り回りつつなにげにステージセットを押して明転作業。
瑠衣「ふわぁ‥‥凄いセリフ‥‥‥‥」
茜「でも、こういうの、けっこう効くのよ。子供って、本気にするから」
赤星「小さい頃はこーゆー単純でわかりやすいのがいいんだよ」
黒羽「お前さんなんか、今でもこのくらいの方がよさそうだな」
赤星「どーゆー意味だよっ」
――ステージ、荒野っぽい風景に。怪人1、怪人2、5人のマゲワッパが登場。子供を二人連れている。
パペ in 怪人1「ヘっへっへっ これでオズリーブスのヤツらも手も足もでないぞー! さーっ さっさと出てきやがれがれがれっ、てーんだ!!」
――拳を振り上げて気勢を上げるマゲワッパ
――そこに、三人のハリケンジャー登場!
ハリケンレッド「きさまらっ」
ハリケンブルー「子供を人質にとるなんて、卑怯よっ」
パペ in 怪人1「おまえら、だれだ!?」
ハリケンイエロー(がくっとなって)「何言ってんだ! ハリケンジャーだろーがっ!!」
パペ in 怪人1「でたらめゆーなっ!! そんなヤツラはこーだっっ! 野郎ども、かかれっ」
――噛み合ってない会話に唖然とするハリケンジャーに襲いかかるマゲワッパ。
――少しざわめく会場。大人たちが首を傾げている。しかし、子供達の方はもう夢中。
黒羽(小声で)「おい!」
赤星(小声で)「ああ、殺陣じゃねえ。黒羽、瑠衣、こっちだ」
――三人会場から抜け出す。
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