★第22話 (6/6)
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――煙が薄くなった中、ステージトップに立つ5人のシルエット。本物のオズリーブス登場。
ブラック「待たせたな、ジャカンジャに化けたスパイダル!」
イエロー「あんたたちのお相手は、やっぱ俺たちっしょ!」
ピンク「小さい子をまきこむなんて、絶対許さないわっ」
グリーン「今度は容赦しないよ! 覚悟してっ!」
レッド「地球の平和と子どもたちの夢は、俺たちが護る! 龍球戦隊!」
5人「オズリーブス!!!」
――5人ステージ中央までいきなり飛び降りてくる。会場大歓声。
パペ in 怪人1「な、なんで、倒した連中がぞろぞろ出てくんだーっ」
グリーン「子どもたちを助けるために、ちょっとお芝居してただけだいっ」
ブラック「そろそろ本気出させてもらいましょうか!」
パペ in 怪人1「よーし! こーなったらこっちもだー! 元に戻って、かかれーーっ」
――マゲワッパ5人、ジャンプ一瞬、アセロポッドの姿に変わる。会場、どよめく。
レッド「これでこっちも思いっきりやれるぜっ!」
――襲いかかってくるポッド。受けるレッドとイエロー。
レッド「気をつけろ! 速いっ」
イエロー「まったくっ」
――イエロー、かわしてポッドの鳩尾に一発。相手のストレートを払ったレッド、膝蹴りを決める。
ブラック「まわせっ」
レッド「頼むぜっ」
イエロー「ほいよっ」
――レッド、イエロー。ポッドの腕を掴んで振り回すように3人の方へ
グリーン「ルートンファーっ」
ピンク「マジカルスティック!!」
――ポッドの額にトンファーとスティックがヒット。舞台奥にいるブラックに押しやる。
ブラック「さーて、こっちでオネンネしてもらいましょうか!」
――ブラックがポッドを次々に払い倒す。倒れたポッド消える。会場はまたどよめき。「どーやってんだっ」「きっと下に潜れるようになってるのよっ」等々
――そのブラックに襲いかかろうとするアセロポッド。
イエロー「リーブチャクラム!!」
――ステージの端からチャクラムが飛び、ポッドを倒す。
ブラック「はい、もういっちょう」
――ブラック、ポッドを引き倒し、ポッド消滅。会場の前列の席上を飛んでイエローまで戻ってくるチャクラム。子供達大喜び。
パペ in 怪人1「くっそー! こうなったらガキどもを襲えーっ!」
――2体のポッドが会場側へ行こうとする。
ピンク「待ちなさい!」
グリーン「行かせないよっ」
――グリーンとピンク、ステージ端からポッドの頭上を飛び越えて、観客席とポッドの間に立つ。
レッド「あ、おいっ」
ブラック「待つんだ!」
――トンファーとスティックがポッドの額にヒットしようとした瞬間、2体のポッド、後ろから足をすくわれて倒れる。払ったのは後ろからすっとんできたレッドとブラック。
ピンク「あらっ」
グリーン「そうだったっ」
ブラック「お前さんがた、職場放棄はいかんな」
レッド「戻ってもらうぜっ!」
――レッドとブラック。倒れたポッドの腕を掴んでぐいっと引き上げると、それを肩に担ぎ上げ、ぶんまわし、ステージ奥に投げる。
イエロー「は〜い、お帰りなさいってねーっ」
――ポッドを押さえ込み、次々に額にチャクラムを打ち付ける。ポッド消滅。
イエロー「わわっ!!」
――後ろからいきなり怪人1に掴みかかられる。怪人2も迫る。ピンチ! だが、他の連中を見ると‥‥
イエロー「おっ、おいーっ 何やってんだよっ」
――なりゆきで会場に降りてしまった4人。子供達の握手責めに合っている。
子供1「がんばってね、ピンク! いっつも応援してるんだよ!」
ピンク「ありがとv すっごく嬉しいわvv」
子供2「ボク、体操やってるのっ グリーンみたいになれる?」
グリーン「きっと、なれるよ! ちゃんとがんばればねっ」
子供3「ひとみね、ブラックの大ファンなのー! 感激っ」
ブラック「それはどうも。じゃあ、お嬢ちゃん、ちゃんと席ついてて下さいよ?」
子供4「レッド! ぼくも仲間にいれてよっ!」
レッド「え!? あ、じゃ、じゃあ、ちゃんと勉強してだなっ‥‥‥‥」
イエロー「こらー! 4人ともっ まだ終わってねーってのっ」
レッド「わりいわりいっ じゃ、みんな! まだ残ってるから、応援してくれよなっ」
――4人、慌ててステージに飛び乗る。レッドとブラック、イエローから怪人を引きはがす。操られた2名の怪人vsリーブス。
グリーン(小声で)「この人達はきっと操られてるだけだよ。気をつけてっ」
ブラック(怪人2のほうに顎をしゃくってレッドに)「とにかくわかりやすい方から片づけるか」
レッド「よし、まかせろっ!」
――レッド、怪人2に突っ込んでいく。素早い動きを見せる怪人2だが、レッド、腕をかいくぐって、拳をぶち込む。
レッド(崩れた怪人を抱きとめて)「こんなもんかな? やり過ぎてねえといいけど‥‥」
パペ in 怪人1「くっそーっ」
ブラック(怪人1に向き直って)「で? お前さんはいつまでそこにいるつもりだ?」
パペ in 怪人1「な、なんのことだー」
イエロー「わかってんだぜー。そいつにとりついてやがんだろーがよー?」
ピンク「いい加減、出てきなさいよっ」
グリーン「卑怯だよっ」
ブラック「待て待て。相手が小さくなって出てきて、その上、万が一飛べるようなヤツだとやっかいだ。挑発するんじゃない」
パペ in 怪人1「へ? 小さくて飛べるとやっかいなのか?」
イエロー(ブラックをちらりと見てその意図を悟り)「そーゆーこと。今の状態ならあっさり倒せるけどなー。小さくて飛べると、ちょーっと手に負えないぜ〜?」
パペ in 怪人1「よーし! 驚くなよっ」
――パペッティア、怪人1の頭の上に出てくると、だっと飛び上がる。崩れる怪人1をイエローが支える。
ブラック(それを少し見送ってつぶやく)「‥‥やれやれ‥‥。だが見逃しちゃあ、やれんな」
ブラック(おもむろに矢をつがえて)「ブラックチェリー!!」
――空中でパペッティア、爆発。
――5人ステージ中央に集まる。会場から大歓声と拍手。思わず手をふる5人。
――と、そこに上手から何本もの発煙筒が投げ込まれる。放り込んでいるのは茜。
レッド「撤収だ!」
ブラック「イエローとグリーンは、戻って死んだフリしてたほうがいいな」
ピンク「あと、もうひとがんばりねvv」
イエロー「そりゃねーよー」グリーン「ほんとっ」
――煙が晴れると、ステージには誰も居ない。子供達のオズリーブスを呼ぶ声だけが響き渡る。
===***===
――下手の控え室。黄龍と輝が、あとの沢山のスタントを助け起こしている。マゲワッパ・スタントも裏でのびていたのだった。
演出家「大丈夫かっ」
黄龍「ああ、センセイ。怪人役の人、救急車で運ばれたよ。警察病院だって。でーも、みんなもけっこうやられちゃったねー。一応病院で見てもらったほうがいいと思うよ〜。」
演出家「君たちはケガは?」
輝「オズリーブスに助けられたから助かったけど。でも、危なかったよ、おじさん」
演出家「で! 本物のオズリーブスはどこに行ったんだっ!」
輝「知らないよー。とにかく舞台から出てけって、それだけしか言われてないもん」
演出家「残念だっ 来週の出演を依頼しようと思ってたのにっ」
黄龍(こけて)「ちょ、ちょっと、センセイさ。そりゃ無理っしょ!」
演出家「そーいえば、本物のイエローリーブスのしゃべり方も、君に似ていたな」
黄龍(焦る)「え? そ、そうだった? いやー、嬉しいな〜! じ、実は俺様、アイツの隠れファンでさー けっこー意識してマネしてたんだよね〜」
演出家「そうだったのか。しゃべり方を注意して悪かったな。たぶん本物のイエローは君より大分しっかりしてるんだろうがな。スーツを着た君とはよく似ていたよ」
黄龍(憮然たる表情で)「あ、ありがとさん‥‥」(輝、笑いこらえている)
演出家「しかし残念だー! また本物に出演してもらえたら、こんなに凄いことはないのに! せめておぼろさんの彼女だけでも捕まえたかったなぁ‥‥」
輝(微笑んで)「おじさん、ほんとにヒーローショーの仕事、好きなんだね」
演出家「子供にはヒーローが必要なんだよ。ヒーローの生き様を心に刻んで、忘れなければ、きっとまっすぐ歩いていける。くじけそうになった時も、がんばってたヒーローのことを思い出して欲しいんだよ! だから、私は、たとえマンネリと言われようと、まっすぐに頑張るヒーローを、子供達に見せ続けたい。子供の夢を作り続けたいんだ!」
輝(ちょっと感動して)「おじさん‥‥」
演出家「そうだ、君たち、しばらくここでバイトする気はないかな?」
黄龍「残念だけど、俺達、他に仕事、あるからさ」
演出家「そうだな。あ、これ、今日のギャラだ。突然に無理いってすまなかった。助かったよ。よーし! みんなとにかく病院だ! でもって次は水曜日だぞーっ」
スタントたち「おーっ」
――身体を押さえながらよたよたと出ていくスタントたちと、それを助けたり声をかけながら出ていく演出家。黄龍、輝、微笑んで見送る。
===***===
――翌朝、森の小路「森の小路」。朝食の片づけ中。カウンターの中で洗い物をしている黄龍が、皿を一枚落として割る。
黄龍「あーあ」
瑠衣(カウンターを拭きながら)「もー、瑛那さんったら‥‥」
赤星(奥から出てきて)「どーしたー?」
黄龍「ゴメンって。皿、一枚割っちまった」
赤星「へ? 皿? い、いい。気にするなっ」
黄龍「でもさ、これ、せーっかくの十枚揃い‥‥」
赤星(何か言いかけた瑠衣の口をふさいで)「いーからっ。さっ、片づけだ、片づけっ!」
黒羽(瑠衣に近寄って)「瑠衣ちゃん‥‥旦那、どうしたんだ?」
瑠衣(くすくす笑って)「今朝ね、朝の支度しながら、赤星さんに話してあげたの」
黒羽「何を」
瑠衣「四谷怪談と番町皿屋敷のあらすじ」
黒羽「じゃ、オレの目玉焼きが焦げてたのも、サラダにやたら胡椒がかかってたのも全部そのせいか?」
瑠衣「だって、常識として、知っといた方がいいと思ったんだもん‥‥」
黒羽「‥‥‥‥まだ道遠しってわけですかい‥‥。ところで、坊や?」
輝(卓上の小さな観葉植物の鉢に水をやりながら)「なあに、黒羽さん」
黒羽「オレとしては、どうもその小指が気になるんだがな」
――輝の水差しの取っ手を持つ手、小指が立っている。
輝「あー、昨日の後遺症だー‥‥」(いきなり思い出してがっくりと疲れる輝)「もー、信じらんないー」
黄龍(にやにやしながら)「でも、テル〜。お前、すっげー似合ってたぜ〜」
輝「なんだよっ エイナッ」
黒羽「そこまでだ、二人とも。まったく、こんなところをあの子供達が見たらがっかりだぞ」
瑠衣「でも‥‥みんな、ほんとにほんとに信じてたよね。ハリケンジャーもオズリーブスも‥‥」
赤星「俺もガキん時、ヒーローごっこして、よく高いとこから飛び降りたりしてたっけ」
黒羽「それこそ『危ないからオズリーブスのマネは絶対にやめようね』のクチだな」
黄龍「そりゃ、いいぜ!」(5人とも大笑い)
赤星「でもな、子供の時に悪に憧れるヤツはいねえ。みんなごく素直にヒーローに憧れんだろ? それ考えるとさ、きっと本質的には人間は悪くねえって思えるよ」
輝「うん。オレもそう思うよっ。その時の気持ちをみんながずーっと覚えてたらいいのにね」
黄龍「確かにね〜。もし、そうなら、犯罪だけじゃなくて、汚職とか、政治腐敗とかもマジになくなるぜ? 博士に頼んで、そーゆー薬とか開発してもらったら、いいんじゃねー?」
黒羽「ヒーロー薬ですかい? ま、問題は色々ありそうですがね。ただ、世の中、忘れっぽいヤツが多いのもまた事実だからな」
瑠衣(にっこり笑って)「じゃ、瑠衣、すっごくラッキー!」
赤星「何が?」
瑠衣「それを、忘れてない人たちとこうして居られるからー!!」
――黒羽、瑠衣の背中に手を回し笑んで頷く。黄龍と輝、手を叩き合わせる。赤星、微笑んでそんな4人を見ている。
N「周りに流されて、ずるいことや悪いことをしてしまいそうになった時、君の心の中で必ずそれに反対する声が聞こえてくるだろう。それが君の中にあるヒーローの心。ほかの誰も見ていなくても、君の中のヒーローはいつも君の側にいて、君を見ている。そいつと一緒にがんばる君こそ、明日のヒーローだ!!」
(エンディング)
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