★第23話 (3/8)
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――公園にいる輝。
輝「リーダーの話じゃ、この近所の子がけっこう入院してるんだよね‥‥」
――あたりを見回しながら歩く。
輝「あ‥‥これ‥‥?」
――噴水の中からウィーヴィング・グラスを拾い上げる。
輝「きっれい‥‥。これじゃ、オレだって欲しいや‥‥」
――公園から駆けだしていく輝。止まった車から降りてくる黒羽と会う。
輝「黒羽さんっ これじゃない?」
――輝、黒羽にグラスを渡す。黒羽それを見ながら。
黒羽「早いな、さすが、坊やだ。これ、先に博士に届けてきたほうがいいかもな」
輝「ね、黒羽さんは、どこ行くトコだったのっ?」
黒羽「この公園の側に、被害者の家があって、おばあさんが家に残ってるらしい」
輝「それ、オレにまかせて、黒羽さん、博士のトコ行ってよ。なんかあった時、黒羽さんがいた方がいいし。オレ、親戚多いから、おじいちゃんやおばあちゃんと話すの慣れてるよ!」
黒羽「わかった。じゃ、頼むぞ」
――輝、黒羽から場所を聞いてそちらに向かう。黒羽車を発進させる。
――小学校の校長室にいる黄龍。ジャケット姿のきちんとした感じ。
黄龍「そうですか。この学校でも20人の被害が‥‥」
校長「伝染病とかそういったものでは‥‥‥‥?」
黄龍「今のところ病原菌や薬物の反応はでていませんので、あまり騒ぎたてないでください。ただ、我々大学病院としても、被害の拡大を防ぐために警察に最大限の協力をしたいのです。それで、眠っている子と昨日一緒に遊んでいた子たちの話を聞きたいのですが」
校長「わかりました。各担任にすぐ手配をさせましょう」
――業務用のライトバンがある研究所に入っていく。「国立生命工学研究所」。実験棟に停まる。田島と赤星が降りてきて機材を実験室に運び入れる。部屋では葉隠と田尾が何か測定中。装置に入っているのはウィーヴィング・グラス。
――邪魔にならないように機材のセッティングをする田島と赤星。機材を運ぶ赤星に気付く田尾。
田尾「あれ‥‥、君、もしかして、『森の小路』の‥‥?」
赤星「はあ。赤星です‥‥」
田尾「めずらしいな。喫茶店で運送業務もやるとは‥‥。 ああ、だからよく休みなのか!」
赤星「えっ‥‥?」
――固まった赤星に、笑い出す葉隠と田島。
葉隠「喫茶店の店長は世を忍ぶ仮の姿でな。実は‥‥竜太は儂専属の荷物持ちなんじゃよ。どんな重いものでも平気そうじゃろ?」
赤星(ちょっとの間の後、情けなさそうに)「そっ それだけですか、博士?」
――爆笑する田島、きょとんとしている田尾。
――校舎から出てくる黄龍と校長、低学年の3人の少年。黄龍丁寧に校長に礼をして、子供達と自分だけになる。
黄龍「さってっと‥‥。お前たち、授業中にごめんな」
子供1「聞きたいことって、ヒロシ君やアケミちゃんのこと?」
黄龍「ああ。ヒロシ君たち、昨日、なんか変わったことなかったかなー?」
子供2「別にねーよっ。いっつも通り公園で遊んで、夕方のサイレンで帰ったもん。アケミなんか相変わらず、らんぼーだったし! ボール思いっきりぶつけられた‥‥」
黄龍「ハハ‥‥ ドッチボールか。そのうち、お前たちの方が強くなっからよー」
子供3「ほんと? そしたら女子のやつら、やっつけられる?」
黄龍「バーカ。そうしたらちゃんと守ってやんだよ」
子供2「大人ってそーなのか? うちなんか、かーちゃんの方が強いけど‥‥?」
黄龍(大笑いして)「ま、そーゆーこともあるけどな。じゃあ、あの二人、なんか変わったもの拾ったり、貰ったりしなかった?」
子供1「僕、知らない。昨日はちょっと早く帰っちゃったんだ」
子供2「オレ、最後まで一緒だったけど、そんなん気が付かなかったけどな」
――子供3だけ、もじもじしている。
黄龍「坊主、なんか知ってんのか?」
子供3「‥‥白くておっきいスーパーボールみたいなの‥‥。ぜんぜん弾まなかったけど‥‥」
黄龍「それ! それ、二人が起きない原因かもしれねーんだぜ!?」
子供3「うそだよ! だって、ボクだって拾ったけど、なんともなかったもん。ほら」
――子供3、ウィーヴィング・グラスをポケットから出す。
黄龍「げ。それ、兄ちゃんに、くんない?」
子供3「やだよ。これ、ボクのだもん」
子供1「何言ってるの、しんちゃん。危ないよ。渡した方がいいよ!」
――黄龍、にっこり笑うとフリスビーを取り出して、遠くの木を指さす。
黄龍「じゃ、坊主、カケしようぜ。これがあそこの木回って戻ってきて、俺様が一歩も動かないでキャッチできたら、その石、くれや。だめだったら、諦める」
子供2「ウソだろ、兄ちゃん! あんな遠くまで届くわけねーじゃん!」
黄龍「どうよ?」
子供3「う、うん。いいよ」
黄龍「よーし。見てろよ!」
――黄龍の投げたフリスビー、きれいに木を回って戻ってくる。その場からまったく動かずに見事にキャッチ。子供達、歓声。子供3、おとなしくウィーヴィング・グラスを出す。
黄龍(受け取ったグラスの眺めながら)「なあ、坊主‥‥。お前、夕べ、なんか、夢、見た?」
子供3「‥‥テストで10点だった夢なら見たけど‥‥」
黄龍「そーか‥‥」(3人に笑いかけて)「ありがとよ! すっげー助かったぜ!」
――入院した子供の家。庭に入り込んで子供の祖母と話している輝。
輝「ねえ、おばあちゃん。太一くん、昨日、丸くて白い石みたいなの、拾わなかったですか?」
祖母「おお、2つ拾ってきて、わしにも1つくれてな‥‥。あん子はほんに良い子じゃ」
輝「く‥‥くれたって、おばあちゃんも持ってるの!?」
――老女、奥に引っ込むとウィーヴィング・グラスを持ってくる。
祖母「これじゃろ」
輝「こっ、これ、夕べ、どこに置いて寝ましたっ?」
祖母「枕元の仏壇のとこじゃけど?」
輝「あの‥‥おばあちゃん、昨夜、どんな夢見たか、教えてくれませんか?」
祖母「昨夜は‥‥そうそう! 死んだじいさんが出てきての、楽しい夢じゃったわ!」
輝「そうなんだ‥‥。あ、それで、この石、ちょっと調べたいんだけど貰ってっていいですか?」
祖母「よいともさ。いや、しかし坊やもいい子じゃの」(輝ちょっとずっこける)「おかげでこの網戸、すっかりうまく動くようになったわ。ありがとさん」
――付近を走り回るパトカー。
パトカー「直径5cmぐらいの白い球形の物体を拾った方。危険ですので、すぐ交番かこちらまで届けて下さい。毒物ではありませんが眠り病の原因と見られています。至急ご協力お願いいたします」
――ある高層マンションの入り口付近にいる黒羽が、そのパトカーを見送る。手帳を見つつ‥‥
黒羽「ここか‥‥」
――エレベーターに乗る。最上階で降りた時はスウィングトップに眼鏡。あるドアのブザーを鳴らす。
黒羽「すみません。向かいの春日ビルの管理人なんですが‥‥」
インターフォンの声「どんなご用件でしょう?」
黒羽「昨日、ウチのビルの屋上に、おかしなものを見たと警察に通報いただいたそうで‥‥。ありがとうございます。ちょっと詳しいお話を伺いたいんですが‥‥」
――出てきた主婦に黒羽、にっこり営業スマイル。
黒羽「お忙しいとこ、ほんとにすみません」
主婦「あ‥‥あら、わざわざご苦労様です。夕方の五時半ぐらいに気付いたんですが、キラキラする大きなものがお宅のビルの屋上にあったんですよ。なんだか動いてるみたいだったので怖くなって‥‥。でもしばらくしたら消えちゃって‥‥‥」
黒羽「それは全体が光ってたんですか?」
主婦「光るというより、大きなガラス細工みたいで、光を通してた感じなんです‥‥」
――メモをとりながら主婦の話を聞く黒羽。
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