★第23話 (8/8)
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――大きなウィーヴィング・ショットを投げつけてくるスピンドル。ロボにぶつかって爆発する。
レッド「こんのやろ! いきなり龍球剣だっ」
グリーン「みんな、目を閉じてっ 光るよっ」
――巨大スピンドルの胸部フラッシュ。リーブロボ、立ち止まる。そこにスピンドルのリフレクト・ビームが命中!
5人「わああっ」
イエロー「壊れたんじゃなかったのかよ、アレ!」
グリーン「また目つぶってやったらだめなのっ?」
レッド「あーゆーの生身だからできんだよ! これじゃわかんねーっ!」
ピンク「ねえ! オイルでカメラを汚したら!?」
ブラック「そうか! 名案だぞ、ピンク!」
ピンク「スターのお掃除した時、苦労したもんね!」
――リーブロボ、自分の関節部のオイルでカメラを汚す。もう一度龍球剣を構え直す。
レッド「よーし、龍球剣!」
――スピンドル、再度目くらまし。だが、煤けたモニターでまぶしさ半減。
レッド「おー、なんとかなんな! いくぜーっ!」
5人「リーブ・クラッシュ!!!」
――龍球剣で切り伏せられて爆発する巨大スピンドル。陽の光を浴びるリーブロボの雄姿。
===***===
――「森の小路」カウンターの中にいる黄龍と瑠衣。カウンターに寄りかかっている黒羽、嬉しそうにクルミケーキを食べている輝。
瑠衣「でもよかったぁ! みんなちゃんと目覚めて!」
黒羽「今回の一番のお手柄は瑠衣ちゃんだな」
輝「うん! オレもそう思うよっ ほんと凄かったよっ」
瑠衣「ほんと!? ほんとにそう思う?」
黒羽「ああ。たいしたもんだよ」
――奥のボックス席に向かい合って座っている赤星と有望。有望が熱心に赤星に何か説明している。一方の赤星は有望の顔を見て生返事ばかり。
有望(声、オフ)「‥‥で、そろそろバズーカの本格的なパワーアップを考える時期だって、田島博士もおっしゃってるのよ」
赤星「うん‥‥」(心の声)『あんな夢、久しぶりだったなー。有望ってやっぱ、きれーだよなぁ』
有望(声、オフ)「それで、リーブ粒子の臨界状態を少し変動させてるんだけど、なかなか安定した準位が見つからなくて‥‥それでね‥‥」
赤星「うん‥‥」(心の声)『‥‥結婚できたら‥‥‥‥あんな感じなのかぁ‥‥』
有望「ちょっと、赤星。マジメに聞く気、ないの?」
赤星「うん‥‥」(いきなり頭をはたかれる)「いてっ 何すんだよっ」
有望「人が一生懸命説明してるのに、その態度は何よ!」
赤星「へ? なんの説明?」(空の灰皿を持ち上げる有望)「わっ ちゃんと聞くからっ!」
黒羽「‥‥に、ひきかえ、あっちはまだミイラになってるようだな。しょーもない隊長さんだ」
瑠衣(ニコニコ笑って)「でも、スパイダルもたまには役に立つのねー!」
――カランカランとドアベル。
瑠衣「いらっしゃいま‥‥、あ、理絵さん! ど、どうしたんです?」
――両手に二つのゲージを抱えている理絵。輝ぱっと近寄ってゲージを持ってあげる。瑠衣と輝、ゲージを覗き込む。
輝「トラジャだ! でっかくなったねーっ」
瑠衣「こっちはマンデリンとモカマタリ!」
赤星「理絵さん、どうしたんだ?」
理絵「はい‥‥。ちょっとお願いがありまして‥‥」
赤星「なに?」
理絵「実はしばらくの間、この場所を離れなければいけなくなったのです」
赤星「え? またえらく急だなー!」
理絵「はい。昨夜急に‥‥。ひと月ほどで戻ってこられると思うのですが、それまでこの子達を、預かっていただけないでしょうか?」
赤星「そりゃ、なんてことないけど‥‥」
輝・瑠衣「やったー!」
――輝と瑠衣。ゲージを開ける。おそるおそる出てくる黒猫3匹。トラジャを抱え上げる輝。モカマタリを抱く瑠衣。マンデリン、なにげに座り込んだ黒羽の手に頭をこすりつけている。
有望「理絵さん、じゃあ、大学も?」
理絵「しばらく休学です。それでバイトのほうも‥‥」
黄龍「問題ないないって。理絵さん戻ってくるまで、誰も雇わないで待ってるからさ〜」
赤星(仕切られてちょっとコケつつ)「あ、ああ。理絵さんがまた来てくれる気あんならな」
理絵「はい。用が終わったらまたこちらでお世話になりたいと思います」
黒羽(マンデリンを抱いて近寄ってくる)「やれやれ。じゃ、理絵さん戻ってくるまで、オレは旦那の淹れたコーヒーでがまんしなきゃいけねえってわけですかい?」
赤星「文句あんなら、自分で淹れ‥‥‥‥おわ?」(いきなりマンデリンを押しつけられる)
黒羽(手袋をとって右手をさしだす)「お帰りをお待ちしてますよ」
理絵(ちょっと目を丸くするが、かすかに笑んで黒羽の手を取る)「ありがとうございます」
黄龍(黒羽を押しやって)「ちょっと待った。一番お待ちしてんの俺様よ? 忘れないでよね〜」
理絵「はい。今度来たら紅茶の淹れ方、教えてください」
理絵(赤星に近寄りマンデリンを撫でる)「すみません、店長」
赤星「心配すんなって。裏のアパートでちゃーんと面倒見っからさ」
有望「迷子にならないように首輪に発信機つけとこうかしら」
赤星「おっ それ、いいかもな」
理絵「店長も、怪談と幽霊の克服、頑張ってください」
赤星「え‥‥あ‥‥はい‥‥」
――赤星、まいって頭を掻く。笑う一同。
――輝と瑠衣、それぞれトラジャとモカマタリを抱いて瑠衣の側に。
理絵(二匹の猫の頭を撫でながら)「この子たちのことよろしくお願いします」
輝「理絵さんも元気でねっ」
瑠衣「早く戻ってきてくださいね!」
――理絵、ふと瑠衣を見つめる。
理絵「あの‥‥瑠衣さん‥‥」
瑠衣「はい?」
理絵「貴女は亡くなったご両親を今でも愛していますか?」
――場、一瞬固まる。瑠衣も少し驚くがすぐに応える。
瑠衣「はい、とっても!」
理絵「人は必ず親を愛するものなのでしょうか?」
瑠衣「‥‥あ‥‥それは‥‥よくわかりません。でも、パパとママはあたしのことを凄く愛してくれたんです。だからあたしは、今でもパパとママが大好きなの」
理絵「この世にいなくても、愛する気持ちは持てる‥‥と‥‥?」
瑠衣「‥‥好きって気持ちは自分の心にあるものだから‥‥。きっと相手がこの場にいるとかいないとか、関係ないと思うんです‥‥。‥‥ただ‥‥」
理絵「ただ‥‥?」
瑠衣(目を閉じて)「ここに居るみんながあたしをすっごく大事に思ってくれて‥‥。みんながあたしの中でどんどん大きくなって‥‥それは嬉しくて、大事にしたいなあって‥‥。‥‥‥あれ? 理絵さんの聞きたいの、こーゆーことじゃないですね?」
――呑まれたように二人のやりとりを聞いている5人。しかし瑠衣の言葉が嬉しい。
――理絵は目を見開いて瑠衣を見つめている。
理絵「‥‥‥いいえ‥‥」(薄く微笑んで)「‥‥いいえ‥‥きちんと答えになっています」
――理絵、少し視線を逸らすが、また顔を上げる。
理絵「では、みなさん。これで失礼いたします」
――皆、口々に別れの言葉を言って理絵を送り出す。
輝「‥‥はあ‥‥。理絵さんって、相変わらずちょっと不思議なとこあるよね」
瑠衣「‥‥でも、あんな寂しい感じがあるなんて、今まで気付かなかったな‥‥」
――瑠衣、ふと黄龍を見上げると、黄龍が真剣な顔でドアを見ている。瑠衣の視線に気付いて照れ笑い。
黄龍「‥‥ま、人には色々ってね」
――瑠衣、微笑む。と、急に思い出したように目を丸くすると、モカマタリを黒羽に押しつける。ポケットからきれいに折り畳んだポケットチーフを取り出す。
瑠衣「瑛那さん。これ」
黄龍「あー、忘れてたよ。役、立った?」
――瑠衣、受け取ろうとする黄龍の手をかわすと、黄龍の胸ポケットにチーフを入れる。
瑠衣「うん。とっても! どうもありがとう!」
――トラジャを抱いたまま黄龍に体当たりのマネをする輝。ひゅーと口笛を吹いてモカマタリに頬ずりする黒羽。有望とちょっと視線を交わすと、瑠衣と黄龍を微笑んで見つめる赤星。
===***===
――ある山腹の洞窟の前に立っている理絵。洞窟の中に入っていく。人工の薄暗い光のなかで、その姿が一瞬ぼやけ、黒衣を纏った姿に変わる。そのまま洞窟の奥に入っていく。
――大きな部屋のような空間。アセロポッドたちが、何かカプセルのようなものを設置している。それを監督しているスプリガン。入り口に背中を向けている。
スプリガン(背中のままで)「なんの用かね、アラクネー?」
アラクネー「昨夜、司令官から指令をもらったわ。機甲将軍のフォローに入るようにと‥‥」
スプリガン「やれやれ‥‥。このオレに嬢ちゃんの手を借りろとは、司令官殿も人が悪いぜ」
アラクネー「任務ならば礼儀をわきまえない機甲将軍のフォローも我慢する。それが軍人よ」
スプリガン「はいはい。お前さんはマジメだよ」
――アラクネー、呆れた一瞥をスプリガンに投げてから働くポッドたちを見やる。
アラクネー「で?」
スプリガン「科学者どもが、"ここ"用のレシピを送ってきた。あとはやってみるだけさ」
アラクネー「そう‥‥」
――アラクネー、踏み出してスプリガンと並ぶ。前を見たまま。
アラクネー「それから、言っておくわ。余計な手出しは無用よ」
スプリガン「なんのことかね?」
アラクネー「昼間のロボットバードよ。あんなことしなくたって、わたしは‥‥」
スプリガン「勘違いとは光栄だがね。アレはちょっと制御系がおかしくなってたのさ。オレは他のヤツをかまう気なんぞねえ。いかな司令官お気に入りの夢織姫のためでもな」
アラクネー(少しいらついて)「その呼び方はするなと言っている!」
――アラクネーの手からいきなり放たれる糸。が、糸は空を切り、スプリガンは既に消えている。
スプリガンの声「ハハハ‥‥。じゃあ、まずはそいつらの監視を頼むぜ。よろしくな、夢織姫!」
――アラクネー、舌打ちして空を見やるが、すぐに無表情な視線を、働くポッドたちに戻す。
アラクネー(心の声)「‥‥この身体はあの方のためにのみ存在する‥‥。この気持ちは‥‥わたしの中だけにある‥‥。あのお方は知らずとも‥‥知らぬからこそ‥‥‥‥」
(The End)
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