★第31話 (6/9)
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「さ、とにかく帰ろうぜ。あとは分析してからだ」
リーダーがそう言って、みんなぞろぞろと駐車場に向かって歩き出した。
3人の背中を見送って少しぼうっとしちゃったオレの肩、腕を回してぽんと叩いたのはリーダーだった。
「いいんだよ、輝。お前はそれで」
見上げたら、リーダーがにっと笑い、オレの肩を押し出すように歩き出した。
「お前みたいに深く感じて考えて、それでもイザって時には動けるのが一番強いんだよ。俺は、普段はあんま考えてないからな。この前みたいに填っちまったりもするから……」
ちょっと寂しそうで恥ずかしそうな、この人にあんまり似合わない笑みが口元に浮かんだ。
主任のこととか、もっと気を遣ってあげればいいと思うことは一杯あるよ。でもどっか大事なことで、何かをちゃんと感じ取っててくれるのも、リーダーなんだよね。
「でも、リーダー、後悔してないんでしょ?」
「ああ、してない」
「オレもしないよ」
「そうだな」
敵を倒すことに臆さない。でも可哀想と思うことも怖がらない……。
「君たちのそれぞれの能力を分析して、それに合わせて作られたロボットみたいじゃな」
ハカセと田島さんと主任は、ロボットたちの動きからそんな結論を出してた。現場ではたまたまその相手と戦ってたと思ってたんだけど、実はロボットたち、遠回りしても自分のペアを探すように動いてたんだ。
「赤いぶよぶよが赤星用、紫のイソギンチャクが黒羽ちゃん、青いかっこいいやつが黄龍君、オレンジのトゲトゲが輝君、銀色マントが瑠衣ちゃん用……って感じかな」
「田島さん、何よそれ。青い"かっこいいやつ"ってサ……」
エイナが拗ねたように言った。
オレたちのスーツから電送された映像が5つのモニターに映ってる。オレは自分の動きのいいトコと悪いトコを探し始めてた。いつもそうなんだ。なんどもなんどもこれを見て、次にはもっとうまくできるように……。それは陸上やってた時とおんなじだ。だから見始めてすぐにリーダーが言い出した言葉は、ちょっぴり目からウロコだった。
「うーん。青いかっこいいヤツ、俺ならイケルかも」
「赤星サンまでなんだっての。 コイツはなー、もうえらい近くに飛び込んできてくれちゃって、ブラスターは使えねーし、チャクラムは投げらんねーし……」
「それ、俺にとっちゃ好都合なんだよ」
「あ、そうか……」
「かわりに旦那に岡惚れのロボットは、オレが引き受けた方がよさそうだな」
ああ、黒羽さんも最初からそういう風に見てたんだ。
「そうか? どっから手ぇでてくるかわかんなくて、えらい不気味だぞ。打撃は吸収されっちまうし、ブレードで切ろうとすると、ナマイキに受けるしさ」
「深く突き込めばどうだ?」
「試さなかったって……ってか、そんなスキねえって!」
「オレの見立てじゃ、ずいぶんあるようだがね。で、思うに、紫イソギンチャクは瑛ちゃん担当だな。こいつは遠くから長い触手を伸ばしてくるからチャクラムの方がいい。ブレードだと絡みつかれてやっかいでな」
なるほどー。言われてみたらそのとーりだ。でも……
「瑠衣ちゃんの銀色マントは、どうするのっ?」
「これ、マジカルスティックがぜんぜん効かないの。うっかり捕まると締め付けられて大変で、でも遠くにいちゃ倒せないし……」
「この銀色の外殻でエネルギーをアースしてるみたいね。打撃が効くならいいけど……。ダメなら空中に浮かして攻撃するとか……?」
主任が説明してくれた。でも浮かすのは難しそーだからさ。
「オレ、トンファーで試してみるよ。あとほら、マントの中からちょっとだけ出てる顔みたいなトコなら、武器も効くんじゃないかな」
「輝が攻撃して、出来たスキを瑠衣が狙う……なら、いいセン行きそうだな。で、あとの方は、俺たち3人が相手を変えて担当する」
「でもさ。あいつらの方が、こっちの思うようなペア、組んでくれっと思う?」
エイナの疑問に頷いたのは田島さん。
「わたしもそれが気になってる。自分の相手をこれ、とプログラミングされてるなら、他からいくら攻撃しても、ガムシャラに自分の相手に向かっていこうとするはずだよ。現にあのオレンジ色も、ちょっかい出されても輝君をマークしていたからね」
みんなでうーんと考え込んじゃう。瑠衣ちゃんが口を開いた。
「あのロボットたちって、やっぱりあたし達の色を見てるのかな」
「まあその可能性が一番高かろうの。背格好や声で区別するよりはわかりやすいじゃろ」
「ねえ、お姉様。スーツの色って変えられないの?」
「それは難しいわ。だってリーブスーツがあの色になったのは偶然なのよ。それぞれの特徴と性能をだそうとしたら、ああなっただけなんですもの」
そこでオレは思い出したんだ。
「簡単だよ、色変えるの!」
「なんだよ、テル。人のブレスは使えねーんだぞ?」
「違うよ! リーダーはレッドだったけど、黒羽さんがイエローに、瑠衣ちゃんがブルーになったこと、あったろっ」
「「「「あー!!!」」」」
「みんなで光洛園のおじさんに頼みに行こうよっっ!」
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