★第31話 (9/9)
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紫イソギンチャクと銀色マント、それに赤い奴が大きくなる。青いのはギリギリ間に合ってストーンを破壊できたらしい。で……。
「まさか、合体するの!?」
「うそだろ!」
3体の巨大怪人はくっついてもっとでっかくなった。胴体は紫イソギンチャクで触手がゆらゆらしてる。そこから2本の赤い足。イソギンチャクの上の方に銀色マントがめり込んで頭っぽくなる。
「で……、でかいっ!」
合体巨大怪人はガーディアンよりめちゃくちゃでかい。1個1個がガーディ並なのに合体してるんだから当たり前だけど。上部のモニターばっかり見てると首が痛くなっちゃう。
「青いのとオレンジが腕になる予定だったのか? 完成品が見てみたかった気がするが……」
ちょっと、黒羽さんってば呑気にそんなこと言ってる場合っ!?
「手が伸びてくるよっ」
「ガーディアン、テイク、オフ!」
瑠衣ちゃんの警告とほとんど同時にモニターの風景が流れた。ガーディアンを追ってくる紫の触手からツバメの様に逃れる。黒羽さんの手にかかると、でっかいガーディもオズブルーンみたいだ。
「リーブ砲、チャージOK!」
「ようし、くらえっ」
眼下の怪人に向かって、シェルモードのお化けのようなリーブ砲が飛び込む。だけど……
「わっ! 傘がっっ!」
銀色マントが開くと、でっかい傘になって怪人を覆う。砲弾は光の粒になって銀の傘を滑り降り、怪人の周りに散った。
「そんなんありかよ〜! ヤバイぜ、どーするよっ」
オレの隣でエイナが喚く。オレの目の前で待ってたゲージが一杯になった。
「リーブランス! 行けるよ!」
「胴体を狙うしかないぞ!」
「わかってる!」
ガーディアンは怪人の背中側――実際はどっちが前かよく判らないので進んでくる方向の逆――に舞い降りる。地に足がつく前に、長い槍が触手の間隙をぬってぐっと付き込まれた。
紫イソギンチャクはたくさんの触手をリーブランスとガーディアンにからめてくる。だけど相手のカラダに先端がめり込む手応えは、ガーディの全身を通じて伝わって来た。
「ピンク、装甲おろせ! 全員衝撃備え!」
ガーディアンがジェットの力も借りてぐっと突っ込む。すぐに突き放すように後ろに飛びつつ、先端のカートリッジを爆発させる。ガーディをすごい衝撃が襲い、そのカラダに巻き付いていた触手も吹っ飛んだ。
少し離れた所に着地すると、合体怪人の銀色の頭部と上半身の半分が削れてるのがわかった。でも怪人の足はまだ元気で、上半身をぐらぐらさせながらこっちに歩いてくる。
「もう一本、いくぜっ!」
飛び上がったガーディアンは破壊された上半身を手で押しやるようにして、今度は脚部に向かって真下にリーブランスを突き込んだ。
大きな大きな爆発。離脱したガーディアンすら爆風に押されそうになるほどの……。それでも切り開かれた造成地は前とあんまり変わった風に見えなくて、オレの胸ん中はモヤモヤしたままだった。
頭の中に、スプリガンとの会話の何度目かの再生が流れていた……。
===***===***===
護るために……。
何かを護るために、強くなる。
推し量れないそんな力を寄せ合わせて、それはいつか黒騎士を越え……。
<あんたは、何のために戦ってるの?>
小僧の吐いた言葉が何度もリピートしてる。
あの人の側で働けるようになりたい。あの人に認められたい……。
生白くて細っこいカラダとでっかい目玉。あの小僧そっくりだったガキの頃。考えてたのはそれだけだった。
その夢はとうの昔に叶った。あの人に取り立てられ、考えられないような地位に上り詰め……。
いつのまにやら前線に出る回数は減り、この銃をぶっ放すことより、くっちゃべって指示することが多くなり……。だからってそれがそんなに苦痛じゃなかったのは何故だろう。
叶えることで望みを無くしたワケでもなかったらしい。
オレはただ、あの人が、あの人の理想を作るのを手伝いたかったんだろう。
どのみち剣を捨てたオレが、あの人を超えようってのもおかしなハナシだったんだ……
……では、今は……?
あの小僧のでかい瞳が、オレのレンズに光のシミをなすりつけていったようで、ひどくうっとうしくて仕方なかった。
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