★第38話 (1/4)
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――青い空。雲の上を滑空するオズドリーン。操縦席の黒羽。助手席にギター。
黒羽「夕張山地上空か」

――操縦桿を切って、斜めに降下。雲の層の下に出る。
黒羽「悪い風だぜ」

ナレーション(声:中江真司)「北海道・夕張において、一瞬ではあるが膨大な暗黒電磁波が感知された。ブラックリーブス黒羽健は調査のため、新戦闘機オズドリーンで夕張へ飛んだのである!」

タイトルin『夕張より愛をこめて!!君は黒羽健を見たか』

――通信機から通信。
赤星の声『こちら赤星!どうだ、なんか異常あるか』
黒羽「どうだかな。ただ吹いてる風はど〜もいけ好かねえ」
赤星の声『そうか。よし、なんかあったらすぐ連絡しろよ!お前すぐリーブレス切っちまうんだもんなあ…』
黒羽「便りのないのは善い報せってね」
赤星の声『ったく。そんじゃあな、一旦切るぜ。ヤバくなったらすぐ連絡入れろよ』
黒羽「構いすぎですぜ、隊長」
赤星の声『バッカやろ…んじゃな!』
黒羽「おう」

――通信が切れる。
黒羽「やれやれだぜ。お前さえいなかったらオレは、このまま飛んでっちまえるんだがな」

――オズドリーン、怒ったように発信音を鳴らす。
黒羽「ははは。はいはい、分かってますよ。冗談だよ…しかしお前の姉さんは、もう少し話の分かる奴だったぜ」

――操縦桿を切る黒羽。高度を下げるオズドリーン。雲の下に出ると、雲がかかる山地が拡がっている。操縦席の黒羽、山の向こうの市街地を見渡す。
黒羽「夕張か…夕張市は北海道のほぼ中央、空知地方の南部に位置し、東西24.9キロメートル、南北34.7キロメートル、面積763.36平方キロメートルの街だ。夕張市一帯は夕張山地の豊かな森林や清流に育まれた丘陵で、標高1,668mの夕張岳から流れる夕張川とその支流が市内のほぼ中央を貫き、流域に沿って帯状に街が形成されている。山や丘陵に囲まれた地形的特徴から、四季の変化や昼夜の気温の変化が大きく、また、風はまわりの山々にさえぎられて弱められている。降水量は本道の平均的な量で積雪は近年少なめだな…」

――山上を旋回しながら電磁波検知器を稼動させる。映像はオズドリーンからの俯瞰のまま、
黒羽「さらに人口15,173人、世帯数は7,412世帯。市名の由来はアイヌ語で『鉱泉の湧き出るところ』を意味する『ユーパロ』の転訛したものといわれている。市章は石炭の街を象徴して外側の六角形は黒ダイヤ・石炭を現し、内側の丸と点は夕張の『夕』の字をデザインしたもので制定は昭和12年8月だ。そして石炭の街としての夕張は…」

――操縦席の黒羽、突然カメラ目線になり、こちらを指差す。
黒羽「画面の前の君!今オレの夕張ガイドを飛ばして読んでいたな?」

――オズドリーンの人口知能の発信音。
黒羽「何?観光ガイドをしないとダメだ?しょうがねえなあ…(咳払い)…むっ」
――黒羽、何かを感じ取る。次の瞬間、機体が大きく揺れる。
黒羽「どうしたオズドリーン!」

――パネルのスイッチを次々に入れるが、反応なし。墜落し始める。
黒羽「まずい!」

――計器類が狂い、コンソールから火花が散る。
黒羽「いかん、どこからか強力な妨害電波が…… しっかりしろオズドリーン!」
――知能ランプは反応するが、機能不全。
黒羽「安心しろ、オレが必ず不時着させてやる!」

――操縦桿を握り、何とか機首を上げる。が、目の前の山から赤いビーム発射!
黒羽「しまっ……!!」

――翼の付け根に命中、墜落。


――スパイダル夕張岳基地。
アセロポッド1「所属不明の民間機1機を撃墜。確認は不要と思われますが…」
謎の声「手ぬるい」
アセロポッド2「は、はっ!」

――鋭い靴音がゆっくりやってくる。カッ、と立ち止まる。
ファントマ「害虫駆除は徹底せねば無意味だ」
アセロポッド1「はっ!ただちに確認のため小隊を出動させます!」
ファントマ「当然だ」


――夕張の原野をアセロポッドたちが走り回っている。箇所に集合し、やがて去って行く。少し離れた所にある茂みが動きだし、ズルズルずれて落ちる。ブッシュのカバーだった。出てきたのは半壊のオズドリーン。木の陰からボロボロの黒羽。帽子とジャケットを脱いで、赤いシャツを腕まくり。帽子を拾ってかぶり直す。
黒羽「あばよ、労働者諸君」(投げキス)「さーて、お前をどうするかな」(半壊状態のオズドリーンの機体を撫でる)

――ハッチを開けて何とか操縦席に入り込む。コンソールをいじってみるが、全く反応なし。
黒羽「だろうな」

――横の席のギターを持って立ち上がる。1コード弾いて、無事を確かめ背中に担ぎ、足元の岩に片足を乗せる。
黒羽「しかしこれじゃあどうにもならんな。オレはともかくドリーンを治してやらないと…」

――リーブレスを顔の前に持ってくる。通信スイッチを入れるが、これも反応なし。
黒羽「…」

――まじまじとリーブレスを見つめる黒羽。着装スイッチを入れるが、また反応なし。
黒羽「参ったな。こいつはあとでうるさいぞ…」
――リーブレスを取って、ポケットに突っ込む。夕張岳を振り仰ぐ。

黒羽「それはそれとしてだ、夕張で何かが起こっているのは間違いなさそうだぜ」(ジャケットを羽織る)「今回はオレ一人で……片をつけなきゃならんようだな!ああ、そうするとも!」


――山中のロープウェイ乗り場。鉄柵が張り巡らされ、『閉鎖』の看板が立てられている。その中で蠢くアセロポッドたち。ブースの中に入り、ロープウェイを起動。乗り込む数人のアセロポッド。
アセ1「聞いたか?新しく来た幹部の話」
アセ2「あれだろ、暗黒機甲兵団の新作だろ。参ったよなあ…」
アセ3「しかしこのロープウェイってのは、人間の作ったものにしてはなかなか便利だ」
アセ4「適当に時間のかかるところがまたいいじゃないか」

――ロープウェイの外側から、談笑するアセロポッドたちの姿。カメラが上に移動。ロープの接点のタワーの上に立つ黒羽。強風が吹き荒れている。高度100m強、眼下には山の緑を渓谷が広がっている。飛びかけた帽子をつかまえて、バランスを崩して落ちかける!
黒羽「あっ、あ〜…」

――咄嗟に手を伸ばすが指の差でスカッ。慌てて片足を引っ掛けてぶら下がり、助かる。
黒羽「…ふぅ、サービスサービス…」

――足掛け回りの要領で態勢を立て直して、帽子を深くかぶり直す。ついでに手袋もはめなおす。ゴンドラが近づいてきたところでジャンプ!ゴンドラの上に着地。

――ゴンドラ内部。大きく揺れるゴンドラに驚くアセロポッドたち。
アセ2「ど、どうした」
アセ4「何かぶつかったか?」
アセ5「何を驚いてんだ。これだけの風が吹いてるんだ、さっきから多少は揺れてるじゃないか」
アセ1「それもそうか…」
――ゴンドラ屋根の黒羽、ニヤリ笑い。


――ロープウェイから降りるアセロポッドたち。アセロポッドたちが去ってから、屋根から飛び降りる黒羽。崖の切れ目にあるアジト入り口。周りを警備するアセロポッド。後ろから肩を叩かれ、振り返る。そこに黒羽!黒羽、手振り。
見張りアセ「き、貴様は黒羽健!!」
黒羽「おっ、これは光栄ですネ♪」(ウインク)黒羽、蹴り。伸びるアセロポッド。

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