★第6話 (3/4)
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――オズベース・コントロールルーム。4人と、葉隠、瑠衣。
黄龍「くっそー! 何か決定的な方法はねーのかよ!」
赤星「博士‥‥。やはりスターバズーカは‥‥」
葉隠「田島君ががんばってくれているが、実用化までにはまだどうしても時間がかかる。安易に扱えば、バズーカが暴発する危険性が高いんじゃよ‥‥」
黒羽「打つ手‥‥無しか‥‥」
――有望が入ってくる。金属製のケースから5つのリーブレスを取り出し机の上に置く。
有望「博士、調整、終わりました‥‥」
赤星「調整?」
葉隠「一つだけ‥‥スターバズーカに代わる方法がある。リーブスーツを粒子に戻してそれをエネルギー弾として敵にぶつけるんじゃ」
赤星「ちょ、ちょっと待って下さい。ってことは、そいつを使ったら着装は解除されるってことですか? そのうえ‥‥いったんここに戻ってこなければ、再着装はできない‥‥」
葉隠「そうじゃ。だからその一撃で完全に決められなければ‥‥君たちは、極めて危険な状態に置かれることになる‥‥」
――4人、思わず顔を見合わせる。しばらく沈黙
黄龍(おもむろに自分のリーブレスをとって手首につける)「あらら〜って感じだけど、仕方ないっしょ。アイツといつまでお付き合いする気もねーしな〜」
翠川(グリーンのリーブレスを取る)「そうだよなっ それにこんな凄いスーツなんだもん。なんだかそのワザ、すっごく効く気がするよっ!」
赤星(苦悩と感謝の入り交じった表情)「黄龍‥‥、輝‥‥」(自分のブレスを取る)
――黒羽も微笑んで、自分のブレスをとるが、葉隠、有望、瑠衣の顔が沈んでいるのに気付く。
黒羽「まだ何か?」
有望「一つ‥‥問題があるのよ。4人分のスーツのエネルギーではあの怪物は倒せない‥‥」
赤星「なんだって!?」
有望「5体のリーブスーツ‥‥つまりピンクのスーツも揃わなければ‥‥ダメなの‥‥」
――4人、呆然。と、瑠衣が何か決心したように顔を上げ、残った一つのリーブレスを取って左手首にはめる。
赤星「瑠衣、何を‥‥?」
瑠衣「あたしも行きます」
赤星「そんなこと、だめだっ!!」
黒羽(赤星と同時に)「何、言ってるんだ、瑠衣ちゃん!!」
――立ち上がって叫ぼうとした翠川、二人の剣幕に押されて思わず座る。
葉隠「‥‥‥‥竜太、黒羽君‥‥。ピンクスーツを着る人間を捜せたとしても調整する時間がない。今は瑠衣ちゃんにやってもらうしかないんじゃ‥‥」
赤星「は、博士まで、何、言い出すんですっ 瑠衣を戦わせるなんてできるわけないでしょうがっ!」
葉隠「竜太‥‥。お前も知っている通り、ピンクスーツは究極のリーブスーツじゃ。そのうえ、特に防護機能に重点を置いていて‥‥」
赤星(机を叩いて)「そういう問題じゃねえっ」
黒羽「瑠衣ちゃん、この話‥‥もう‥‥知ってたのか? それで‥‥」
瑠衣「‥‥さっきみんなが戦ってる時に、聞きました‥‥。でも‥‥。でも‥‥あたしもみんなと戦いたいっていうのは、もっと前から考えてたの‥‥」
黄龍「この前も、そんなこと言ってたもんな‥‥」(思わず黄龍を睨んだ赤星に)「お、おっと、赤星さん、誤解すんなよ。俺だって聞いた時は絶対ダメって言ったさ。一緒に聞いてたアキラもな」
翠川「そうだよ、瑠衣ちゃんっ! あの時、あんなに止めたのにっ、ぜったいダメだよっ」
瑠衣「どうしてダメなの!? みんな戦ってるのに!? 瑛那さんだって輝さんだって、ほんとは全然関係ない人なのに!」
黒羽「戦いはゲームじゃないんだ。あんな化け物たちと戦うなんて、君みたいな女の子のやるようなことじゃない!」
瑠衣「あたしだってスーツちゃんと着られます! 実験だって色々やったし、リーブラスターの反動テストだって、ちゃんと‥‥
赤星(瑠衣の言葉を遮って)「瑠衣! とにかくダメだ! 俺は、許さん!‥‥たとえチェックでも、お前にあのスーツを着せるんじゃなかった‥‥!」
――赤星、立ち上がって、瑠衣の側に行き、瑠衣の前に手を出す。
赤星「リーブレス、渡せ」
――瑠衣、左手を背中に回そうとするが、赤星、瑠衣の手を掴んで無理矢理リーブレスを取る。
瑠衣「いやっ 痛いっ」
有望「ちょっと! 赤星!」
赤星(リーブレスを取り上げ、瑠衣を見つめて厳しい表情)「これは俺が預かっとく」
瑠衣「赤星さんのばかっ みんな、嫌いっ」
――部屋を飛び出していく瑠衣。
===***===
――喫茶の裏、居住棟の屋上。泣いている瑠衣
有望「瑠衣ちゃん‥‥?」
――振り返って慌てて涙を拭く。有望、瑠衣の側まできて瑠衣の左手を取る。手首が少しすれて赤くなっている。
有望「ごめんなさいね‥‥。赤星ったら、乱暴で‥‥」
――瑠衣、首を横に振る。
瑠衣「‥‥みんな、心配してくれてるのは‥‥わかるの‥‥。でも‥‥」(有望を見上げて)「お姉さまも、瑠衣じゃムリだと思う?」
有望(微笑んで、ゆっくりと首を横に振り、瑠衣と並んで風景に目をやる)「あのピンクスーツ‥‥色んな部分があなたにあまりにしっくりくるから、最初驚いたんだけど、実は瑠衣ちゃんのデータを元にして作られていたのね」
瑠衣「え?」
有望「葉隠博士にお聞きしたの。マジカルスティックの時の計測データを元にして、無くなられたあなたのお父様とお母様が基本設計をされたそうよ」
瑠衣「パパとママが?」
有望「災害の現場に、常に赤星や黒羽君のような人がいられるわけじゃない。レッドとブラックの計測データを元に、ごく普通の人でも安全に救助が行えるように‥‥ということで作られたのが、イエロー、グリーン、ピンクの3体のリーブスーツだったの」
――開発をしている桜木夫妻の映像。彼らの机の上に瑠衣の写真が数枚飾ってある。そこにかぶる有望の声
有望「特にあのピンクスーツは、ずっと体操をやってた瑠衣ちゃんの身体機能を最大限に生かせる作りになってるわ。何より、あなたのご両親が、着装した人を確実に守れるよう、思いを込めて、些細なところまで追求し尽くしてあった。私もいくつか改良はしたけれど、基本的には桜木博士と綾博士の設計を、忠実に実装してきただけなのよ‥‥」
――屋上の情景に戻る。瑠衣の目にまた涙が浮かんでいる。
有望「ピンクスーツは仕組み上、男性には向かない。たぶん、赤星は、ピンクスーツは使わずに、ずっと4人でやっていくつもりだったんだと思うわ‥‥」
瑠衣「赤星さん、そんなこと言ってたんですか?」
有望(笑って)「直接聞いた訳じゃないけど、あの人の考えそうなことぐらいわかるわよ‥‥。(有望、瑠衣を見つめる)「ね、瑠衣ちゃん、あなたの決意のほどはどのくらい?あれだけ反対されても、それでも戦場に行くって言える?」
瑠衣「あたし、パパとママの思いを継ぎたいの‥‥。研究とかそういうのはムリだけど、ピンクスーツが役に立つなら、あたし‥‥!」
有望「それだけの覚悟があるなら、あの頭の固い男どもを説得するのは朝飯前ね。じゃあ、もう一度、正々堂々とぶつかってみましょう。いいわね?」
瑠衣「はい!」
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