No Exchange パート2!
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大都市の俯瞰。テロップ「スパイダル帝国首都スパイダル」
中央の宮殿のから同心円状の道が広がり、放射状の道が重なる。蜘蛛の巣のようだが大変規則正しい。中心部からだいぶ離れた居酒屋の隅のテーブル。一見労働者風の男が二人会話をしている。

男A「なに? 夢織将軍と魔神将軍が?」
男B「ああ。たまたま目撃したアセロポッドの話によると、魔神将軍はカマ言葉で話すわ、
   普段口数の少ない夢織将軍は素っ頓狂な声で居丈高にどなりまくるわ‥‥凄かったらしい」
男A「いったい何でそんなことに?」
男B「その日、5人して宮殿の地下に行ったらしいんだ。お前も聞いたことあるだろ?
   あそこにゃ、妙な部屋があるっていう‥‥」
男A「ああ、スパイダル帝国に滅ぼされた者達の怨念が閉じこめられているって‥‥。
   え、じゃあ、二人は取り憑かれた‥‥ってのか?」

男B「ああ、多分な。そのあと二人は参謀の部屋にずっと呼ばれててな。ぶつぶついう声も
   聞こえてて、たぶん祈祷でもしてたんじゃないかってハナシだよ」
男A「そうか。幽霊か‥‥。我らの革命を起こすためには、いい手かもしれんな‥‥」
男B「で、どうする気だ?」
男A「霊魂が電磁気現象だってのは知ってるな。それを利用して‥‥‥‥‥‥」


タイトルIN「龍球戦隊オズリーブスOVS」
「No Exchange! Part II」


ブラックインパルス(以下BI)と四天王が食事の真っ最中。大きな肉の塊にかぶりついているゴリアント。フォークとナイフで上品に食べているシェロプとアラクネー。BIの前には赤ワインのグラス。方法はナゾだが鎧のままで飲んでるらしい。スプリガンの前にはオイルの缶。

シェロプ「貴様の怪人が無能なのが、全ての原因だったのだ、アラクネー」
アラクネー「貴族ともあろうものが、指のひとつも鳴らせないとは思わなかったわ」
シェロプ「あんな平板なガキのような身体で、いったい何ができると‥‥」
アラクネー「なんですってっっ! もう一度お言い‥‥!」
BI「シェロプ それは明らかにセクハラだぞ」
シェロプ「‥‥は‥‥。つ、つい。私としたことが下品なことを‥‥‥‥」

スプリガン「‥‥ところで司令官。天井のシャンデリア、妙な音がしねーですか?」
BI「私には聞こえんぞ」
ゴリアント「オレっちも」
スプリガン「いや‥‥。なんかヘンだぞ。オレの聴覚センサーは広帯域対応だから‥‥」

とたんにバチンと明かりが消えて真っ暗になる。おっ、なんだ?という5人の声。すぐに明るくなるが‥‥。

スプリガン「オ、オレっちの肉はどこだっっ! てめー! オイルなんかと取り替え‥‥‥?」
ゴリアント「なぜテーブルがこんなに汚れている! すぐに掃除せい! 席を変える‥‥‥?」
シェロプ「メシは喰わねぇと言ってるだろーが! ナイフまで持たせてどーゆーつもり‥‥‥‥?」
3人(顔を見合わせて)「‥‥‥‥‥‥なにぃぃいいっっ!!!」

BI「あ、あの‥‥あの‥‥、な、なんで、あ、あたくしが、そこに‥‥」
背景には自分の顔に触りつつ「わ、私の美しい顔があぁぁああっ!」と喚くゴリアント。
アラクネー「‥‥‥落ち着け! どうやらまた入れ替えが起こったようだ‥‥」
アラクネー(中はBI 以下 BIinAR)額を少し押さえてから立ち上がる。えらく優雅。
BIinAR「前回、アラクネーとシェロプが入れ替わった件では、二人のうかつな言動のせいで
      城下にあらぬ噂が立っているとの情報もある。冷静に対処すればどうということはない」
呆けたように頷く4人。

BIinAR「まず状況を把握しよう。私がブラックインパルスだ。他に私はいないな?」
ふるふると首をふる残りの4人。
BIinAR「そして、シェロプはゴリアントの中だな。それはわかった」
口をがおっと開いて喚こうとするゴリアント(中はシェロプ 以下SHinGO)。BIinAR、ぱっと手を出してそれを遮る。

BIinAR「わかったからうるさい。黙れ。で、スプリガンはどっちだ?」
シェロプ(中はスプリガン 以下SPinSH)。手を挙げる。
BIinAR「となると、ゴリアントはスプリガンの中か?」
スプリガン(中はゴリアント 以下GOinSP)が頷く。
BIinAR「そして、アラクネーは私の身体の中だな」
ARinBI「もっ 申し訳ありません‥‥っ 司令官‥‥っ」
BIinAR「落ち着け。自分に謝られても妙だ」
ARinBI「は、はい‥‥」

BIinAR「スプリガン」
SPinSH「オ、オレですかい?」
BIinAR「そうだ。信頼できる技術者を呼んで、シャンデリアを調べろ。電磁的に魂を
      交換するような仕組みを、誰かが設置したのかもしれん。ここは皇帝陛下の力場の
      中だから何も送信はできんが、原因と裏にある組織を調べねばならん」
SPinSH「アイアイサー‥‥って言いたいトコですが、このカッコじゃ‥‥」
BIinAR「ゴリアント、協力しろ。バレるようなことがあったら許さぬ」
GOinSP「げ‥‥‥。が‥‥、がってんです‥‥」

SPinSHとGOinSPが立ち上がるが、GOinSPがいきなり転ぶ。
SPinSH爆笑。SHinGOもついイヤミったらしく笑うが、口が耳まで避けてかなりコワイ。ARinBIがそれを見て固まる。
GOinSP「シッボ! オレっちのシッポがねぇっ!!!!」
シッポという言葉に密かにショックを受けたSHinGO。頭に「シッポ」という書き文字と共にいろんなシッポが浮かんでいる。そーっと立ち上がり自分の姿を見下ろす。後ろに引きずっているいつものゴリアントの長いシッポから慌てて目を逸らす。

SPinSH「オレにんなもんあるわけねーだろ? 何億ヤーンかかってるかわからねぇ大事な
      ボディだぞ。壊したら修理代、請求するからな!」
GOinSPなんとか立ち上がるがまたこける。
GOinSP「クソッタレ! シッポぐらいつけとけってんだ、このできそこないっ!
      グラグラしやがってバランスが‥‥っ」

床に尻餅をついたままのGOinSPの傍につかつかと歩み寄るBIinAR。
BIinAR「四天王たる者、そんなことで騒ぐなどみっともない。早く慣れなさい」
GOinSPとSPinSH、ピンヒールなのによろめきもしないBIinARを下から上まで眺める。足元からのパン・アップ。微笑み付き。かなりイカしている。

GOinSP「し、司令官、んなもんで、よく歩けやすね‥‥」
BIinAR「なに、一本歯の下駄に比べればこんなものは‥‥」(←修行してたらしい)
SPinSH(聞いてない)「‥‥‥愛想がいいと、夢織もこんな美人に‥‥‥」
BIinAR「アラクネーはいつもこうだろう」(←そう見えてるらしい)
SPinSH「‥‥ちょっと触ってみても、いい‥‥‥‥」

いきなりGOinSP、SPinSHに電撃が食らわされる。
GOinSP、SPinSH「ぎゃっっっ」
ARinBI「この、無礼者っっ!!」
二人慌てて離脱。
GOinSP「この、小娘! 何しやがる!」
SPinSH「いくらなんでも、反則だろーが!!」

ARinBI「さっきから四天王にあるまじき低レベルな会話の数々、聞き飽きたわ!
      さっさと自分の任務を遂行したらどうなの!?」
言葉はカッコいいが、BIの声で女コトバなので3人の顔が引きつる。満足そうに頷いているのはBIinARのみ。

BIinAR「アラクネーの言う通りだ。シェロプにアラクネー、私と共に中央司令室へ。
      ゴリアントとスプリガンは調査の手はずを整えたらすぐに来るように。
      くれぐれも言っておくが、部下達には内密にな」
BIinAR部屋を出ようとして‥‥
BIinAR「アラクネー、何をしている? 前に‥‥」
ARinBI「ええっ!? そ、そんな‥‥」
BIinAR「ええっではない。途中でアセロポッド達に見られたら怪しまれるぞ。
      で、次はシェロプ、お前だ」
SHinGO「ええっ!?」
BIinAR「ええっではないと言っているだろう! いつもの通りに‥‥」
SHinGO「こ、こんなカッコウを見られたら、私は‥‥」
BIinAR「ゴリアントはいつもそのカッコウだ。早くしろ」

BIinAR、後ろを向いて背を丸めたSHinGOの襟首を捕まえようとするが届かず諦め、ベルトを引っ張って自分の前に引きずり出す。ARinBI、SHinGO、BIinARの順で部屋を出て行く3人。

GOinSP(3人を見送って)「なあ、よぉ。司令官、適応力有り過ぎじゃねーか?」
SPinSH「確かに‥‥。だがオレたちも、誰が誰だか、よく一瞬で覚えられたな」
GOinSP「そうしないとハナシが進まねーからな。で、部下って誰を呼ぶんだ?」


===***===

中央司令室に入ってくる3人。BIinARがいつもの奥の位置に陣取ると、ARinBI、大慌てでその前に跪く。鎧ががちゃがちゃとスゴイ音を立てる。

BIinAR「アラクネー、どうしたのか?」
ARinBI「は‥‥。こうしないと司令官を見下ろしてしまうので‥‥‥‥」
BIinAR「何をバカな。気にするな。いつも通りでよい」
ARinBI「は‥‥。では‥‥」

ARinBI、立ち上がるが、自分自身の顔に見上げられて固まり、そのまま後じさる。
BIinAR「‥‥アラクネー‥‥?」
ARinBI、どんどん後じさって、部屋の隅まで行ってしまう。
ARinBI(嬉しそうに)「司令官殿、この距離なら大丈夫です! 見下ろす感じになりません!」
BIinAR(額に手をやって俯く)「わ、わかった。もう少し近くへ。お前の好きな体勢でよいから。
      で、シェロプ‥‥。シェロプ?」

一少し離れた処にある姿見(なぜそんなものが?)の前にいるSHinGOの背中。ぶるぶると震えている。

BIinAR「おい、シェロプ‥‥!」
SHinGO「‥‥信じられぬ‥‥」
がばっと振り返る。
SHinGO「司令官殿! 私がこんな目に遭わされる、いったい何をしたと言うのですか!?」
BIinAR「落ち着け。原因が判ればすぐ‥‥‥‥」
SHinGO(聞いてない)「私の美しい顔が、こ、こんな! 牛とコモドドラゴンとヒキガエルを
     足して3で割ったような、こんな醜い姿にっっ!!」

GOinSP「いやー オレっち、そこまでイケメンじゃねーけどよ」
いつの間に部屋に入ってきたGOinSPとSPinSH。GOinSP得意げに上半身を揺らす。
GOinSP「へっへっ 色男の3大形容詞だぜ、それ」
SHinGO、頭を抱えてうずくまる。

BIinAR「それで、スプリガン?」
SPinSH「やっぱシャンデリアに妙な装置がついてまして。カストルとボルックスの二人なら、
      なんとか調べるでしょう。それから直前にシャンデリアの掃除をしたアセロポッドの
      12Aホヨ78号が行方不明です」
BIinAR「なんだその訳の分からん番号は!」
SPinSH「この間から重複しなけりゃ好きなIDを選んでいいシステムに変わったんでさ。
      カタカナと英字と数字で構成される全角7文字です。人気番号なんか順番待ちが
      出る始末で‥‥『ラ92キAタ1』とか‥‥」
BIinAR(また額に手をやって)「‥‥まあ、いい‥‥。アラクネー」
ARinBI(いつのまにか近くまできて跪いている)「はっ」
BIinAR「すぐに調査に当たれ‥‥。あ‥‥。私も行かねば‥‥」

と、いきなり『ピンポンパンポン〜』というチャイム音がに続き「お知らせいたします。ただいま次元回廊が開きました」という女声のアナウンスが流れる。
BIinAR「シェロプ!」
SHinGO(びくんと立ち上がる)「はい!」
BIinAR「出撃‥‥」
SHinGO「いやです!」
BIinAR「なに!?」
SHinGO「こ、こんなカッコウで動き回るのはダメです! 私は休ませて頂きます!!」

だっと駈け出すSHinGO。唖然として見送る4人。何かに気が付いたゴリアントが手を伸ばす。
GOinSH「あ、おい! そっちは・・・・・」

SHinGO「暗黒怪魔城への近道」と書いたドアに思いっきり突っ込む。が‥‥
SHinGO「‥‥‥‥!!!!」
SHinGO、ドアに挟まって身動きがとれなくなる。
SHinGO「やめろ! 私を放してくれ! 元に戻るまで断固有給休暇を頂きます!」
ひたすらもがくSHinGO

見ている4人唖然としているがGOinSPが大爆笑を始め、SPinSHがそれに続く。ARinBIは両手を顔に埋めて震えているし、BIinARはがっくりと俯いている。そのうちGOinSPはガチャガチャと床に転げ回って笑い始める。

音声オフ。画面緩やかにフェードアウトしていくなかで、数人のアセロポッドが現れSHinGOをドアから救出しようとしている。画面下部にタイトルロゴがIN。ロゴを残して暗転。



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